朝5時、硝子の入った本棚が揺れる音で目が覚めた。余震なり。7時まで朝飯食べたり、新聞やテレビでニュースを。二度寝。国立まで出る用事があって、「パンがあったら、買ってきて」と言われたが、駅前のパン屋が長蛇の列で、食パン、バケット系のパンはすでに売り切れ。コンビニも同じ。西友でも長蛇の列。パンは菓子パン系以外はなし。往復の道すがらも、スーパーの袋を両手に下げた中高年、老人の姿を見る。オイルショックの買い占めが想起される。人間は学習しない。
だからといって、軽挙妄動を責められない。責めはしない。仕方ないのである。そういうものなのである。
うちでは、気持ちの便乗による買い占めは止めようと決議。使い残りのパスタ、ソバ、冷凍うどん、米などで食いつなぐ。人はパンのみに生きるにあらず。トイレットペーパーもあとロール二個。なるべくウォッシュレットで核心周辺を撃ち落としてから、少量のペーパーで仕上げるという消費を心掛ける。
地下書庫の奥へ足を踏み入れると、やっぱり本棚の上に積んでいたのが落下、あと、床から積みあげていたのも崩落。床が見えない。これ、片づけるの、大変だよ。しばらく、このままにするしかない。バキバキと本を踏んで歩く。
ちくま文庫版『女子の古本屋』ゲラが届く。これから、その後の女子の古本屋を増補、本文自体はあまりいじらないつもり。なるべく女性古書店主の店を紹介したいと思いますので、情報あったら教えてください。
庄野至さん取材の話ですが、書斎に、庄野潤三著作専用の本棚(ガラス戸)があり、見せていただいたが、これが全集のほか、全単行本の初版(すべて美本)揃いで、もれなく潤三から至さんへの献呈署名入り。うーん、とうなりました。
教育誌の名言を紹介するコラム、庄野潤三『ワシントンのうた』より、「静物」誕生のヒントとなるアドバイスを、佐藤春夫からもらった、そのことばについて書く。
ビッグイシュー」は、ジョン・ダニング『愛書家の死』。
「ありえない話」を15分ほど見るが、ありえないほど無内容でくつろいだ構成。おもしろい。
心静かにこの曲を。

木村衣有子さんの新刊、食べ物エッセイ『あのとき食べた、海老の尻尾』大和書房をいただいています。http://mitake75.petit.cc/
食べ物を巡る少女時代、青春時代のあれこれが、印象深く語られて、ぼくはわりあい木村さんのものは、ずっと好きで読んでいますが、これまでのものとはちょっと違う、なんというのか、もっと木村さん個人の肌合いを強く感じる本になっていて、とってもいいです。ああ、木村さんが、また新しい場所をみつけたな、と感じました。「海老のしっぽ」というのが、好きだった男の子との重要な想い出になっていて、なるほどなあ。例によって写真もよい。