あたたか

okatake2011-02-23

今日は、あったかかったぞ。
このところ、深夜に近い早朝に目覚めることが多い。今日は5時。午後、二度寝
昨晩できなかったTBS放送原稿、早朝に送る。吉村昭『その人の想い出』河出書房新社
まだ未読だったことに気付いた、帚木蓬生『賞の柩』新潮文庫、読了。サスペンス味が少し薄いか、それでも面白い。海外ロケが多くなるから、ドラマ化などは難しいか。
「読書人」からの書評依頼、菊池夏樹『菊池寛大映白水社が届いてます。著者は菊池寛の孫にあたる人。永田ラッパとの組み合わせがいい。
先日、国立「デ」で、またジャズCDを二枚買ったんですが、そのうちの一枚、リー・コニッツがワンホーンで、ギタートリオと組んだ「トランキリティ」がいいなあ。コニッツのアルトはクールかつ、くつろいだ演奏で、それにまたビリー・バウアーのギターが邪魔せずからみついていく。泰西名画を見るような、落ち着きがある。ジャズって、いろいろあるけど、これでいいんじゃないかと思わせる。エモーショナルなんて、ださいぜ。柳に風。高田幸吉が風に吹かれながら鼻歌まじりに街道を行く、感じであります。
安水稔和『杉山平一 青をめざして』編集工房ノアを、パラパラ読んでいたら、安水・杉山対談で、四季派の詩人、というより海港詩人倶楽部の、といったほうがいいのか、福原清の名前が出てくる。杉山さんが、断片的に福原の詩句を紹介しているが、これがなんともいい。
「あくびをし、つぶやく声で祈るのです、夢もなく、丸太のやうにねむらせ給へ」
「窓も戸口も開け放ち、/今日、森(しん)として町は空虚(からっぽ)」
「その竿へ来て、水平に、蜻蛉の静止」
「雨はいつも上から下へ降るのです」
杉山さんは「実に穏やかで静謐そのものです」と、福原の詩業を評し、「煙突の煙がまっすぐ上がっているのを見る時、福原さんの世界を思い出します」と書いている。
『福原清詩集』は昭和58年に非売品で出ているが、6000円から一万円弱。湯川弘文社から出た詩集があるが、検索すると高橋輝次さんと古本ソムリエが引っかかってきた。さすが、である。いま、角川文庫版『現代詩人全集』全10巻をあたったが、天野忠は収録されていても福原清はない。この手のアンソロジーは、関西の詩人に辛いんだよ。「スムース文庫」で、関西詩人のアンソロジーを作りたくなりました。