二人でそんな話ばかりしていた

okatake2011-02-02

風間完挿絵の『点と線』再読。アリバイのトリックで、いつまでも刑事が飛行機を使ったことに気づかないのは、やっぱり傷だろう。それでもおもしろい。
本の山が崩れて、佐野繁次郎装丁、黄色い表紙の『見るもの 食うもう 愛するもの』が出てきて、付箋が貼ってあるのはなぜだろうと開けたら、訳者の堀口大学から河盛好蔵宛ての署名本だった。すごい! ぼく、こんなにすごい署名本、持ってたんだ。「大學老詩生」と書いてある。林哲夫さんなら、たちまちここからいろんな話題を引っ張り出してくるんだけど、なにしろ、ぼくは学がないからねえ。
終日、乱歩と格闘。なんとか原稿の道筋をつける。
明日は目白「ポポタム」で自著にサインを入れて、新潮社へ移動。どう行けばいいか。もちろん、JRで高田馬場へ出て、東西線に乗り換えて神楽坂下車、というのがいちばんわかりやすい。しかし、つまらないなあ、それじゃあ。目白駅前から新宿行きのバスがわりあいひんぱんに出ていて、「みちくさ市」へ行くときは、これに乗るが、ルートを確認すると「山吹町」で降りれば、新潮社まで、そうだなあ、600メートル強ぐらいか。こっちの方がおもしろいよ。帰りはおとなしく東西線高田馬場下車で「ビッグボックス」古書市を覗くと決める(2月7日まで開催)。
気持ちに変化をつけないと、退屈しちゃうんだよ。
午後、サンポがてら自転車で東大和「ブ」へ寄ったら、なんにもないんだけど、新潮文庫の朔太郎『詩の原理』があったので買っておく。ほか数冊。クリーム地に緑の罫線が入った新潮文庫のカバー、ちょっと古びると、しみがあったり、色が褪せたり、くすんだりするけど、それが朝鮮の陶磁器みたいで、なんともいいんだなあ。骨董の味わいがあるんだ。こういう話をして「そうやなあ」と同意するのは山本善行だけで、20代、二人でそんな話ばかりしていた。