「玉椿」はいいぞ!

okatake2010-10-20

今日は、朝から古ツアさんが発見踏破した、聖蹟桜ヶ丘「古書 玉椿」へ行くぞと決めて、午後発進。国立からバスで聖蹟桜ヶ丘へ。ストア前でバス停を降り、「ブ」を軽くなでて、目指すは「玉椿」。駅から行くと、迷いようがないが、「ブ」からくねくねと神社のまわりを歩いたので、少し迷った。なんだか、田舎の道を歩いているようだった。「玉椿」はいいぞう。くわしくは「古ツア」さんのレポをご覧あれ。あれ以上正確にくわしく書けないよ。
ちょうど二股になった道の鋭角部分に建てられた店舗で、船の舳先みたいになっている。さきっぽにウッドデッキがあり、そこにステキなベンチと均一の箱。店は広くはないが、有効活用されたレイアウトで、片側に児童書と絵本、片側に文芸書やその他全般。北欧の本が揃っています。
ぼくは石井ふくこプロデュースの「東芝日曜劇場」の台本集二冊セットを1050円で買い、レジにいた愛らしいお嬢さん店主、石井さん(絵で描くとこんな感じ)に話を聞いた。「岡崎武志です」と名乗って知ってもらっていて助かった。以下は、ちくま文庫版『女子の古本屋』に増補のかたちで加えるつもり。短くなるけど。石井さんは「ポラン書房」さんで2年近くアルバイトをしていたそうだ。ほんと、いい店だなあ、と感心して出てきた。古ツアさんとぼくが足跡をつけてきたので、みなさん、どしどし、「玉椿」へ行ってください。必ず、何かしら買える店です。道すがらの桜並木もいい感じだし。とくに古本女子、必読の店であります。
そうそう、古ツアさんが来たことも、古ツアさんとはわからずちゃんと覚えていた。そのあと、偶然ブログをチェックしたそうだ。なんでも、入ってきて、棚をみる感じ、本を出し入れする感じで、すでに普通のお客とは違って、「ああ、きっと古本の方のかただな」と思ったそうだ。「古本の方のかた」というのがいい。
このあと、聖蹟桜ヶ丘から分倍河原へ。ここで「ブ」をチェックし、前から気になっていた「落兵衛図書園」へ。30年位時間が止まったような古本屋で、じっさい、古い本しか置いていない。ほとんどすべてビニールづめして、背にシールで値段表示。それが、やや安からかなり安。ビニールはすべて変色、シールもまた変色、店も店主も変色した、「クウネル」では絶対取材されないような店で、大いに気に入る。ないもの、こんな店。これはぜったい何か買おうと、大正十一年の『通人語辞典』を800円で買う。遊里やカフェで使われることば、あるいは演劇の隠語などを集めた辞典。
今日は「玉椿」と「落兵衛」と、極端に違う二店をみられて、古本魂がひさびさに燃えた。