届いた本から

okatake2010-10-05

今日は届いた本から。まずは「彷書月刊」最終号。連載陣の最終回、総目次後編、読者からの便り、それに巻末の目録も充実の200ページ近い大冊。表紙のブルーが目にしみる。
小学館文庫、佐藤泰志海炭市叙景』も届く。12月上旬、映画公開にあわせた、佐藤にとってはじめての文庫。福間健二さんの単行本の解説、それに川本三郎さんが文庫用に、いい解説を書いておられる。ここに登場する人達がさまざまな職種につき「佐藤泰志がそれぞれの人間をつねに仕事との関わりで描き出している」と指摘。なるほどなあ、と思う。「この小説を読むと誰もが自分の住んでいる町と、そこで働きながら生きている人々のことを愛しくなるのではないか。この小説にはそういう力がある」と結ぶ。たしかに『海炭市』を読んだあとは、新聞配達の兄ちゃんや、バスの運転手、牛丼店の店員などに違った視線を送っている自分に気付くのだ。これはいい解説だ。
同じ郵便で、函館市若松町の老舗バー「杉の子」の元子さんから礼状と文庫カバーが届く。元子さんは、「海炭市」映画化に奮闘された一人だ。古い函館ガイドを古本市で買ったので、送ってさしあげた返事だった。「海炭市」つながりで、これは偶然。
青柳いづみこさんからは、初めての小説『水のまなざし』文藝春秋社をいただく。「ささいなきっかけで声を失った、ピアニストを目指す少女の魂の遍歴」と帯にある。映画化されそうな内容だ。
図書新聞」から依頼された、ポプラ社「百年文庫」についての原稿、「畳」「本」「秋」「庭」のうちから適当に送ってもらうよう頼んだら、ぜんぶ送ってくださった。新書より少し大きく、テーマの文字が大きくカバーにあって、おしゃれな装幀。スピンつき。中身もなんともシブいセレクトだ。「畳」をさっそく読む。
今日はなんだか、熱い思いのこもった雑誌と本が続々届いた。
竹内洋『立志・苦学・出世』講談社現代新書は、恋ケ窪「いとう」であっさり300円で見つけた。
夜、「ビッグイシュー」で小学館文庫『海炭市叙景』を取り上げようと決めて、再読を始める。ううん、やっぱりいい。函館へまた行きたくなった。