どうぞ亡びてください

17日夜、三鷹上々堂」へ追加、精算。帰り、連雀通り「ブ」で、司馬遼太郎街道をゆく」ビデオが105円で出ていて3本買う。CSの銀河チャンネルでも再放送しているが、いつもチェックできるわけではなく、ビデオでも見られるのがありがたい。
18日、あったかい。午後、国立散歩。「谷川」で、何か買わないと立ち去るわけにいかないような気になり、前田愛著作集の残り『近代読者の成立』を1000円で買う。同タイトルで出た本と関連する論文を著作集は再編集増補。TBS用に、萩生田勝『刑事魂』ちくま新書を買い、読了。
夕食後、家族で17日にオープンした秋津の「ブ」へ遠征。「砂川」の店員だった土方くん始め、見知った顔がちらほら。ワンフロアだが大型店並みの分量。なんだかごちゃごちゃ買いました。
明日は、みすず書房大人の本棚」、野呂邦暢随筆集『夕暮の緑の光』の見本が出来てきます。担当の宮脇さんから、直接受け取るつもり。
赤旗」から、本の電子化と紙の本がなくなる趨勢についての原稿を頼まれ、前田塁『紙の本が亡びるとき』青土社を買ってきて、表題論文を読むが、精緻で行き届いた、説得力のある文章で感心したが、ただ一点、ぼくと意見が正反対に違う個所がある。そこが、ぼくの原稿の論点になるだろう。紙の本が亡くなりはしないし、自分の本が出なくなるというのが困る以外では、紙の本がもし亡くなっても、まったく平気とぼくは思っている。いま新刊で流通する9割は、紙の本にする必要もないくらい、どうでもいい本だと思っているから。残りの人生、これまでに出た紙の本だけでじゅうぶんだ。新刊書店へは足を運ばなくなり、古本屋だけで読書生活を続けていく。
金子彰子さんの詩集『二月十四日』が、データでサイト上で読めますよ、というなら、ぼくはこれほど応援しなかったろうし、『海炭市叙景』の小学館文庫化にも、同様にキンドル専用というなら感動はしなかったろう。野呂邦暢随筆集も電子ブックで、と言われたら、引き受けなかった。
尊王攘夷派は頭が堅くて滅びていったが、ぼくもそのうち滅びていくだろう。
「1Q84」のばか騒ぎも、これが電子化されて出版されたら、塔のごとく新刊書店で積み上げる光景や、前の日から並ぶドクシャという絵もなくなり、マスコミは困るだろうな。