「生活考察」創刊

okatake2010-04-05

朝早く起き、「あった、あった。」の原稿。昭和41年に出た非売品『鉛筆とともに80年』三菱鉛筆の社史について書く。
白川静読本』平凡社、書評を送付。
書きかけの「彷書月刊」連載、「街の草」と「図研」の回を仕上げる。
夕方、続いて教育誌のコラム、狐や狸はなぜ人間を化かさなくなった、を書く。
ここで、息が切れた。
使うつもりで、けっきょく使わなかった、新潮文庫西脇順三郎詩集』を、いちにち、パラパラと読んでいた。最終ページに、「昭和52、4、22(金)」と自分の書き文字。ちょうどいまごろ。ぼくは20歳になったばかりだ。この頃、自宅にいて、近所の新刊書店「谷田書店」へ毎日のように通っては、ときどき文庫を一冊選んでは買っていた。定価は200円前後。このとき買った新潮文庫の緑の罫線が入ったクリーム地カバーのものは、いまでも大切に持っている。一冊一冊の読書が新鮮で、足下を固めるという感じで読んでいた。西脇の東洋と西洋を衝突させて散乱するイメージの詩はいまでも好きだ。最後の一編は「宝石の眠り」


永遠の/果てない野に/夢みる/睡蓮よ/現在に/めざめるな/宝石の限りない/眠りのように


西脇の詩には、多摩川の川辺や、武蔵野や、もっと具体的に言えば、甲州街道、狛江、調布、登戸、小平なんて地名が出てくるのだが、20歳だった私は、まさか将来、東京に住んで、登戸の近くや小平に住むことになるなんて、想像だにしなかったのである。
図書カードで、岩波新書2冊、鶴見俊輔『思い出袋』、清水徹ヴァレリー』、集英社新書の『澁澤龍彦ドラコニア.ワード』を買う。新書は安いや。
昨日、日曜日に参考書として講談社現代新書『日本人はなぜ狐を信仰するのか』を探したが見つからず、けっきょく図書館で借りたのだが、廃棄本コーナーに、みすず書房シモーヌ・ヴェイユ『カイエ』の「2」と「3」があって、あわててもらってきた。廃棄本コーナーも、こうなると、ときどきチェックせねばなあ。どんどん廃棄してくれ。
辻本力くんから『生活考察』創刊号が届く。ぼくや林哲夫さん、それに中嶋アホアホ大介くん、栗原裕一郎さんなどが書いている。ライススタイルマガジン、というと、いまや女性誌が優勢だが、これは男性中心による雑誌。表紙にでかでかと他の人たちと並んで「岡崎武志」の名前が載り、ポテサラ芸人に負けないよう、がんばりたい。
あ、いよいよ月の輪書林目録「太宰治特集」が6月に出ますよ。