沼田書店へ登頂

okatake2010-04-04

花曇りの日、目白台月の湯」古本まつりへ出陣。いつもは、東西線で早稲田下車、そのまま北上、神田川をわたり、目白台の丘にとりつき登坂するのだが、今日は、月の湯近くの古本屋「沼田書店」へ寄るつもりで、市ヶ谷から有楽町線に乗り換え、護国寺から三丁目坂を上り、というコースを取る。三丁目坂には「東大病院分院」という古い建物が、どかっと残っている。「沼田書店」は、『古本屋地図』の記載で、営業時間が朝7時半、という珍しさでチェックしていたが、要するに文房具店と兼業なのだ。しかし、地図で見るかぎり、近隣に小学校や中学校はない。旅猫の報告のごとく、壁の古本棚はほとんど通路が塞がれ近付けない。いちばん身近な本棚の前には、文房具や駄菓子玩具がぶらさがり、本が見えない。記念に昭和30年の宴会芸の本を買う。300円を200円にしてくれた。
月の湯」は、いつもは男湯、女湯の脱衣場が別だが(あたりまえだ)、どうやら仕切りの壁が取り外しできるらしく、脱衣場を広く使っての展開だ。知ってる人ばかりで、あちこちで挨拶しながら、ひとまわりしてちょこちょこ2000円強、買う。強烈なのは「ばななの叩き売り」という箱で、よしもとばななの本が揃っていてみんな百円。
カフェスペースで、瓶の牛乳を飲みながら塩山御大始め、お歴々と談笑。昼は近くの中華へ。武藤さんと天野さんがすでに食事していて、同じテーブルについてタンメンを食う。武藤さんは「上京者への嫉妬」の話。武藤さんが自分のブログで書いた、春、スタートする新人たちへのメッセージがすごくいい文章だった。
ぼくもこの時期、胸がむずむずしてくるのは上京者だから。春、あたりはずれがなく、まちがいなく桜の花が咲き誇ることのありがたさ、を思う。
このあと、いつもと逆に早稲田から帰る。高円寺の即売会も覗く。ここでもあれこれ買ったが、「文藝春秋便り」という横長8ページの小冊子。文藝春秋の成り立ちから、編集部風景など、けっこう情報が詰まっている。これが100円だった。社屋は銀座・御幸通りにあった時代のもの。あと、昭和31年に小学校社会科副読本としてつくられた「わたしたちの東京』が200円。
「朝日」の「声」の欄で、日本はいまの人口の半分くらいでいい。少子化、けっこうなことである、みたいな声を寄せていた人がいるが、というより都市圏に集中しすぎ、なのだ。こないだ、富士吉田へ行って、人口5万いて、古本屋が「ブ」以外に一軒もないのは恥ですよ、とアジってきたが、3万から5万くらいの町で、ちゃんと若者が定着して、過ごしやすい町づくり、というのができないものか。