魚雷くんは手品師

朝、原稿を一本書いて、神保町へ。担当者の都合で、本日、サンデー毎日で仕事。「餃子屋」というラーメン屋、半年に一度くらい食べるが、ぎょうざはうまい。タンメンとぎょうざ3個セットを頼んで、これが失敗。タンメンの上に、メンと同量ぐらいのもやしを中心とした野菜がこんもり乗っている。しゃきしゃきしてうまいじゃないか、と思われるかもしれないが、食っても食ってもメンが見えず、次第にあごがつかれてきて、メンに届くころには、メンも伸びている。スープがまたちょっとぼやけた味で、残してしまった。これは、前きたときも、やはり同じものを頼んで後悔したのだった。うまいタンメンに、なかなか出会わないものだ。
神保町均一でちょこちょこっと買い、サンデー毎日へ。鹿島茂さんのインタビュー原稿のゲラがあがっているが、名刺入れが見つからない。S社の担当編集者に電話するがつながらない。うーん、困った。文芸年鑑にもファクス番号は記載されていない。
もう一度、担当編集者に連絡を取るか、と思っていたら、魚雷くんがひょっこり編集部に現れ、「岡崎さん、これ」と名刺入れを手わたしてくれた。どうやら、先週、コクテイルで飲んでいるとき、忘れたらしい。「これ、これ。これを探してたんや!」と叫ぶ。まったく、手品を見ているようだった。
次の著者インタビュー、中村安希『インパラの朝』集英社、と決めて集英社に電話。返事待ち。「ギンレイ」で、「愛を読む人」を見る。新潮クレストの大ベストセラー、B・シュリンク『朗読者』の映画化。結論から言えば、映画化は難しいと思った。絵で見せる映像の特色が、ここでは弱点になっているように思えた。前半、少年と中年女性との密かなあいびきは、非常にきれいだと思ったが。
帰り、電車に乗っていたら、携帯に電話。出ると、『インパラの朝』、急きょ明日の昼にインタビューが決まる。さあ、困った。まだ読んでいなし、準備もしていない。今晩、やらねばならぬ仕事もあるし、と、きりきり胃を痛めながら帰途につく。
今日も亜鉛を飲んだ。