祭りの終りはいつでも

okatake2009-07-06

「ブックジャパン」に、高橋輝次『古書往来』書評がアップされています。

http://bookjapan.jp/search/review/200907/okazaki_takeshi_01/review.html

「古書 善行堂」のオープン、大変なにぎわいだったようだ。ミクシィでは「おこたん」さんが動画をアップしてくれていて、動いている「善行堂」も拝めた。順調な滑り出しに、遠い空からの応援団としてほっとする。過労と興奮が醒めたあたりで、倒れないといいが。
昨日は立川オリオン書房での「私は猫ストーカー」イベントのトークも無事終えた。いつもながら男前の白川くんに、すっかりお世話をかけた。会場となった喫茶では、ハルミンさんを中央に、左がぼく、右に越川さんが座る。こういうとき、打ち合わせもなしに、なんとなくぼくが進行役を買ってでると、自分で勝手に決めていて、太宰治時計をにらみつつ、前へ話を転がしていく。越川さんが大変クレバーな人で、映像の世界のことを、コトバに還元し、客席に伝える術をこころえている。ハルミンさんのまったりした、おとぼけトークも笑いを始終さそって、いい雰囲気の会になったのではないか。鈴木監督も少し遅れて客席に現れ(どうやら、ハルミンさんを含む映画団で、昨日、初日舞台挨拶のあと、カラオケで朝まで歌ったそうだ)、「火を使わない映画」というぼくの指摘にていねいに答えてもらったりした。
ぼくはじつは非常に気が小さく、トークのあいだ中、みんな聞いているか、笑いは取れているか、時間配分はだいじょうぶか、話の流れに間違いはないか、など秒単位で神経を使うので、終ると、ブレーカーが落ちたみたいに目の前が真っ暗になる。もう少し鷹揚に構えればいいのだろうが、どうも性分だから仕方がない。
会場に貼られた、トークのポスターのなかの一枚に、急きょ、三人でサインを入れ、白川くんを模したネコの絵に、ハルミンさんがメガネを描き加える。これは裏方で世話してくれた白川くんへのプレゼント。
二次会のイタリアンレストランでの夕餉も楽しかった。鈴木監督とちゃんと喋れたのもよかった。鈴木卓爾さんは俳優でもあり、この秋公開の太宰映画二本にも出演している。一本は菊池寛役だそうで、「どうやったらいいですか」と相談を受けた。「岡崎さんのほうが似合いそうだけど」とも。
「お祭りが終ってしまうので、ちょっと淋しい」と、映画化に始まる一連のイベントその他にずっとつきあってきた原作者のハルミンさんが、最後にこぼしたのが印象的だった。


祭りの終りはいつでも淋しいものなんだね
あまりに長いお祭りだったらとくにそうだね
冷たい水を一杯飲んだらすぐに醒めるさ
夢から夢へとまた醒めていくだけなのに
(「さよなら」北山修

彷書月刊」に函館行きのことを書く。