おお、ビアンカ!

okatake2009-05-02

昨日が「ギンレイ」プログラム替わりのラストで、前回分も見逃しているので、これは、と出動。締め切りの早まった「あった、あった。」をあわてて書く。昭和38年『たのしい切手』について。「見返り美人」「月に雁」なんて、ひさしぶりに使った言葉だ。先日、少年マガジン、サンデーの記念切手を2シートずつ買った。まさに大人買い
神田古書会館「下町会」でちょこちょこっと買う。コミガレでもちょこちょこ。「QB」で長くなりすぎた髪を切る。いつも美容師が二人いるが、ぼくがキングベアと呼んでいる、おっかない店長にあたる。しかし、この人、いちばん巧いんだ。終って歩き出したら、首のまわりが妙に凝っている。緊張していたんだ、とわかる。キングベアが切った髪で明日は「一箱古本市」です。ぼくは、家族で貸はらっぱ音地に出店。天気は曇り。曇りぐらいの方がここはいいな。「古本おみくじ」も、「みちくさ市」とは別のバージョンを新たに作り直す(なにやってんだ、とまた怒られそうだ)。
「ギンレイ」では「画家と庭師とカンパーニュ」、「ラースと、その彼女」を見る。前者はフランスの片田舎に帰郷した画家が、偶然雇った庭師が小学校の同級生で、交流が始まる。大人の映画だ。ただ「日本」あるいは「日本人」というコトバが何度か出てきて、それがいずれも軽侮、揶揄の対象になっていたのが気になる。そんなにフランスでは日本人がバカにされているのか。
「ラース」は傑作で、内気で女性と話すこともできないハンサムな男性がいて、兄夫婦が住む家の前にあるガレージ(といってもリッパなもんだが)に住んでいる。身重の義姉(美人)がそんな義弟をなにかと気にかけ、食事に誘うが、なんだかんだと理由をつけて断る。ある夜、彼女ができたから、連れてくると言って、兄夫婦を大喜びさせるが、目の前に現れたのは、精巧なダッチワイフというべきビッグドール「ビアンカ」。事態が把握できず、目を丸くする兄夫婦に対し、ラースは、それが実在する女性だと信じ込んでいる。というところから始まる喜劇だが、そこに悲劇的要素が加わり、この映画が単なる思いつきで作られたのではなく、人間に潜む弱さを心理学的にあぶりだしたものだとわかる。ラースおよび、ビアンカを診療する初老の女性医師を始め、ひそかにラースに恋する同僚の女性など、ああ、それにビアンカも、この映画は女性がうまく描かれた映画だ。
一本目が終ったところで、通路を席を探している顔見知りの女の子(こけしちゃん、とぼくは勝手に呼んでる)がいて、隣りの席が空いていたので、「ここ、空いてるよ」と教えたのだが、困った顔して行っちゃった。嫌われているのかしらん。
返り「ささま」均一で数冊、中で阪本博志『「平凡」の時代』平和堂1575円を買う。これは、戦後大衆文化を追っかけている者にとって、ぜひとも持っておかねばならぬ一冊だ。
新潮社「考える人」から原稿依頼。これはこれは珍しい。「科学」する人100人みたいな特集で、石田五郎について短い原稿を頼まれる。もちろん引き受ける。

晶文社の営業Tさんから、こんな告知が。

このたび
創業50周年を来年2月に控えて、小社のサイトでも
僅少フェアをボチボチ始めており、そこへたまたま
杉並区の書店さんから、品切れ本のフェアをやりたいと
申し出が入りました。

実際の店舗でも、いまや滅多に見ない小社の僅少&
品切れ本を、約400冊(ほとんど社内在庫が1冊程度
という本です)上の者の判断ですけど、思いきって
出させていただきました。ジュンク堂はおろか、全国の
どこでも見ない本が結構並ぶはず、です。

http://www.shobunsha.co.jp/topics/#sun