青木正美『古本屋群雄伝』はおもしろいぞ。

okatake2008-12-18

朝、今年最後のTBS「森本毅郎スタンバイ!」を終える。酒井駒子『よるくま クリスマスのまえのよる』を紹介し、終ってから遠藤泰子さんにプレゼントする。それと、今年放送で紹介したなかからベスト3(『本棚』、川本三郎向田邦子と昭和の東京』、武良布枝ゲゲゲの女房』)を発表。『本棚』のところで、川上未映子桜庭一樹と芥川直木賞受賞を予言するかのように、二人とも入っていた、とコメントし、「じつは今年『本棚2』が出て、そのなかに私も入ってるんです」と言うと、すかさず森本さんが「ほう、じゃあ岡崎さんもなんか賞を取りますね」と絶妙なつっこみを入れてくださる。そんな日がいつか来るだろうか。
うわさの「本の雑誌」を立ち読み(申し訳ない)すると、にとべさんが『新・文學入門』を「読者の選ぶ、今年のベスト1」に選んでくれて、けっこう長く紹介文が掲載されていた。うれしかった。「にとべ」賞としてありがたく受け取ることにした。
ダ・カーポ」別冊では、ジュンク福岡店の下妻久美さんが、『女子の古本屋』を印象に残った本として挙げてくださった。こちらは「下妻」賞だ。ぼくはもうこれでじゅうぶん。
青木正美さんから『古本屋群雄伝』ちくま文庫が届き、さっそく読み始める。おもしろい、おもしろい。戦後、浅草に車屋の市という古書の市場があって、そこで買った本をそのまま夜店で売る。あるいはみなが捨てるゴミ本をもらって、これも夜店で売る者もいた。「江東文庫 石尾光之祐」の章なんて、小説みたいだ。つい先日、大森で集まりがあった、山王書房さんの章もある。小山清「落穂拾い」のモデルとなった女性古書店主も出てくる。青木さんはこれまでたくさん古書関係の本を出しておられるが、おそらくこれが最高傑作ではないか。つげ義春にマンガ化してほしい。