にぎやかな地上で

okatake2008-10-08

午後から雨。それもだんだん強くなってきた。巨人・阪神の決戦を中継しているのだが、こわくて見られない。いま5回まできて、巨人が2点のリード。すぐに切る。
昼飯たべに国立へ。谷川書店、文庫棚に庄司浅水『書物の国の散歩道』現代教養文庫を発見。これ持ってたかなあ、150円か、買っておこう。おやじさんにまた、仕入れノートを見せられる。「こういうのが、入るんだから」と指差したのが、旺文社文庫の百けんシリーズ39冊。「5分で売れちゃいました」という。「ほう、それはそうでしょう」とわけのわからない返答を。これで、文庫一冊では出にくくなった。出口裕弘ロートレアモンのパリ』筑摩が500円ならもらっておこう。「ユリイカ 総特集 澁澤龍彦」これはまちがいなく持っているが、なかで澁澤、出口対談があって、これを読みたくなって450円。安いのだ。
「デ」でコルトレーンが全編にからんだ「MAL2」を。
増田書店カウンターで「図書 10」と「波 10」をもらう。前者に片岡義男が「こうして始まった神保町の日々」を書いている。しめしめ。
家に帰ると、いくつか寄贈書が。ポプラ社桂米團治『子米朝』を送ってくれた。先日、京都「南座」の前で、小米朝米團治襲名披露の看板を見たばかり。これは、だから、すぐに読んだ。そうか1958年生まれか。米朝という大看板の長男に生まれ、落語家になると決め、そこからの重圧。兄弟子達のこと、落語の世界以外のヒトたちとの交流から得て、だんだん落語家らしくなっていく。市川崑細雪」出演のことも書かれている。失敗話も数々あって、それはすっぽかしなど完全な失敗だが、さほどダメージではないように読める。というのが、つまり「若旦那」のにんを備えた小米朝らしさだろう。あまり気取らず、なんでもあけすけに喋っていて好感が持てるのも同じ事情。襲名は必ずいい方向に働くと思う。
中央公論」は11月号。第二特集が「古本探しの街歩き」。四方田犬彦佐藤賢一福田和也北尾トロといった面々に混じって、ぼくも「全国、旅情を誘う古本町ベスト10」を書いている。あれ、京都の喫茶店進々堂」を「西へ」なんて書いてる。ここは東へ、のまちがい。西も東もわからなくなっちゃおしまいだ。ほか、特集以外でも筒井康隆楊逸の対談、池澤夏樹坂本龍一との対談など読みどころが多い。
「波」の出版予告を見てたら、新潮選書では山根貞男が『マキノ雅弘』を、それからポール・オースター『幻影の書』は新作長編、堀江敏幸が名作『雪沼とその周辺』に連なる短編連作『未見坂』、それに「野生時代」で対談させてもらった坂木司さんが『夜の光』という青春小説を出す。なんともにぎやかだ。
今週、これから後半は「だいこんの会」「月の湯」「一箱古本市」「西荻ブックマーク」とこちらもにぎやか。みなさん、あちこちでお目にかかります。
阪神、負けました。なんじゃ、それ。