ほんと、ですよ。

okatake2008-09-04

『雑談王 岡崎武志バラエティブック』、ぽつりぽつり読んでいる。小津安二郎論3本など、時間に余裕があった時期に、集中してやれた仕事でよかった。いまならちょっと難しいかもしれない。蓮實の影響丸出しで恥ずかしいけど。「まえがき」「あとがき」はかなり長く、これが書き下ろし。「彷書月刊」に掲載した「高円寺日記」に翌年分も追加している。それ以外、基本的にもとの原稿にあんまり手を入れていない。時制や資料も当時のまま。読んでいると、なんだか遺著っぽく、死んだ自分が自分の本を読んでいるような感じだ。だから、この二日、生命力がない。見本を持ってこられた島崎さんへの応対も、きっとちょっと変だったと思う。ご心配かけたかもしれない、と思う。
締め切り一本、遅らせたまま、サンデー毎日へ。出るとき、すごい雨で傘を持っていったら、中野で乗り換えたら、まったく雨など降っていなかった。傘を持たないヒトもたくさん。高田馬場「ビッグボックス」古本市、最終日を覗いていく。初日に目をつけた「江戸東京事典」箱無しが950円、というめちゃくちゃ安く目をつけていたが、あんまり荷物が多くてあきらめたのが、今日、行ったらもう売れていた。やっぱり初日に目をつけた、生沢朗『氷壁画集』は売れ残っていて、これを買う。840円。これは井上靖氷壁」につけた生沢の挿絵集。シャープでモダンな線が美しい。ぼくがこれまで見たなかで、一番安い価格。2、3000円はするだろう。ふつう。講談社文庫、杉村春子『歩みのあと』、多田道太郎『ことわざの風景』各150円。
サンデー終え、ぎりぎりだったが、ギンレイで「ダンジリー急行」を1本だけ見る。仲の悪い3兄弟が、修道女となった母を訪ねて急行列車に乗って向かうが、長男(包帯でぐるぐる巻きの頭部)が作った分刻みのスケジュールは、何もかも手違い、くいちがい、急行列車から追い出され、という珍道中を描く。途中20分ほど眠ってしまったせいもあるが、なんだか、めちゃくちゃな映画だったなあ。
ニッパンの「新刊展望」から、『明治のおんな作家たち』の市川慎子さんとの対談依頼がきていた。どうも対談づくなあ。もちろん引き受けるけど。その同著担当の鎌田さんから、ポプラ文庫特製の手拭い、文庫カバーをもらう。こういうの、うれしいのよ。って、テレビを見てたら「熱中時間」にてぬぐい一万枚のコレクターが出ていた。
「昭和30年代の匂い」にも、やっと取材依頼あり。うれしい。
これから仕事をします。ほんと、ですよ。
で、やりました。じつは2時ぐらいまで、ユーチューブで遊んでたんですが(ミクシィに更新)、2時くらいから「ヨムヨム」9枚を一気に書いた。2時間ちょいか。書き始めると早いんだよ。なぜ、それを早く取りかからない、ってことだが。ナンダロウくんが、同じ媒体でリミット一日過ぎ、って書いてたから、締め切り、同じだったんだ、とわかる。ああ、同志よ!
ビル・エヴァンスを聞きながら、水割り、水割り。もう朝だけど、気分は深夜だ。