鶴の鬱届く冷たい雨の土曜日

okatake2008-01-12

冷たい雨の土曜日。長谷川郁夫『本の背表紙』読了。堀口大学吉田健一小沼丹など、小沢書店がらみの作家たちがよく登場する。著者が、むしろ長年敬遠していた、苦手だったと告白する作家の話がおもしろい。例えば中村眞一郎石川淳も途中で、張り扇ではないか、と遠ざかる時期があったとか。
間村俊一さんの初の句集『鶴の鬱』角川書店が届く。函入り、布表紙、本文用紙から見返しの用紙、本文文字まで、すべて間村さんの息がかかった装丁、造本。間村の間が、内田百けんのけんになっているが、出ないのでご容赦を願う。
タイトルになったのは、集中の「天上に瀧見しことや鶴の鬱」から。
妻と娘が、妻の実家へ新年の挨拶に行ったので、一人留守番。夜、国立へバスで出る。ぼくの前に停留所で立っていた男のヒトが、笠も持たず、雨にただ濡れている。よほど、傘を差し出して、とご一緒に、と思ったが、それも勇気がいるよね。で、雨に濡れている人を見ながらバスを待つ。それで、こういう時、バスが遅れるのだ。早く来てくれえ、と祈ったもんな。
ディスクユニオンでうろちょろして、そうは毎日、買えず、食事を済ませ、「ブ」へ。やれやれ。
いきなり、カバー汚れありではあるが、『全日記 小津安二郎』フィルムアート社を105円棚で発見。おい、いいんですか、本当にと思いながら抱える。ほか村上春樹を含め数冊を買う。
これまで何度か知人に連れられていった、ジャズバーへ一年ぶりぐらいに行く。マスターはちゃんと覚えていて、「おひさしぶりです」と。1時間半ほど、ジャズをバックに、マスターとあれこれ喋る。いま、ジャズブームだよ、と告げると、「ウソですよ。だってヒマですもん」と笑いながら否定する。店の前の通りで、ドラマか映画の撮影があり、小泉今日子をすぐ近くで見たらしい。
気の置けないいい店なんだ。またちょくちょく来よう。
まだ、年賀状が届くなあ。