コクテイルひとりぼっち

okatake2008-01-10

9日、原稿を書いていると、家内が修理終わったパソコンの設定で、ぼくのパソコンを使うというので譲る。外出。
神保町は不漁。サンデー毎日初仕事を終えて、神保町へ戻り、コミガレを覗くがここも不漁。どうもいけないなあ。
「ぶらじる」で筑摩書房、続いて中央公論新社と、ゲラ戻しと打ち合わせ。筑摩は3月、中央公論は2月終わりに本が出そう。石丸澄子さんデザインの後者のカバーデザイン見本を見せてもらう。おお、いいじゃないの。本屋の棚で目立つことまちがいなし。ありがとうね、澄ちゃん。
筑摩の青木さんから、草思社倒産のニュースを聞かされる。そういえば、ここんところ、サンデー毎日短評でも、草思社の本を取り上げた覚えがない。10年前くらいなら、おや、これも草思社、あれも、という時代があったが。書肆アクセス新風舎に続き、どうもいい話がない業界でございます。
昨年暮れ、毎日の文化部で桐山サン、魚雷くんと、年明け新年会をやろうと、いちおう、ぼくが出てくるこの日にコクテイルで、と決めておいたので、高円寺へ向かう。コクテイルの対面にある「越後屋」の3冊100円の文庫棚から、ほんとうにひさしぶりに三冊買う。富士見ロマン文庫、影丸譲也『ワル 9』、辻原登『枯葉の中の青い炎』新潮文庫という、わけのわからない組み合わせ。コクテイルはこの日が年明け初日だった。中川六平さんがいる。ここで草思社の話題を。どうも、出版の不調とともに、ほかのことに手を出して焦げ付いたらしい、との情報が。
桐山サンから携帯に電話。草思社騒動で来れないとのこと。魚雷くんはやっぱり忘れているようだ。辻原登を読みながら、ちびちびとビール。最初の短編「ちょっと歪んだわたしのブローチ」は、湘南モノレール、片瀬山、腰越と、先日家族で江の電に乗った付近のことが出てくる。ちょっと不思議なちょっと怖い大人の恋愛小説。こんど、モノレールに乗ってみよう。
最後、ワインとタコのカルパッチョで締めて帰宅。
帰り吉祥寺で下車。「ブ」でアラン・ド・ボトン『旅する哲学』集英社谷川俊太郎佐野洋子『女に』を105円で。
電車のなかでは行きは週刊文春、帰りはずっと啄木を読んでいた。週刊文春の書き手で、今井舞という署名記事が、そうだなあ、数ヶ月前から気になっている。芸能ものが多いみたいが、じつに的確で、冴えている。「紅白」評なんて、そうだよなあ、そうそうと思いながら読む。「いまいまい」というのは回文になっていてたぶんペンネームだと思うが、いったいどういうヒトだろう。

啄木

しつとりと
水を吸ひたる海綿の
重さに似たる心地おぼゆる


何がなしに
息きれるまで駆けだしてみたくなりたり
草原などを