晩秋の山へ

okatake2007-10-10

昨日、吉祥寺。ルノアールでクレインの文さんと会う。初対面。できあがったばかりの『佐藤泰志作品集』を受け取る。『海炭市叙景』を含む、佐藤の代表作、単行本未収録作品などを収録。2段組み700ページ近い大冊。それが3300円+税とは安い。文さん曰く「若い人に手に取ってほしいから」。真っ青な空のような装丁もいいなあ。文さんはぼくより5つ下。たった一人で出版社「クレイン」を経営している。同志社大学卒、「思想の科学」の編集者をしていた。だからぼくよりずっと以前に扉野くんのことも知っている。応援したい本だ。
吉祥寺から西荻まで歩く。「三善」2階で、第4回「だいこんの会」。例によって、どがちゃかどがちゃかの宴会。もらったばかりの『佐藤泰志作品集』を一冊、参加者にプレゼントする。最後の方、久住兄弟が登場。いっしょにいるのが映画監督の山下「リンダリンダリンダ」敦弘さんだったのには驚いた。
そのほか驚いたのは、前回も参加してくれたKさん(もと工作舍、石原さんと同僚だった)が、じつは5年前に会っていたということを知らされたとき。石丸くんたちとベルギーへ行く前、吉祥寺で両替していったのだが、そのときの受付がKさんだったという。言われてすぐ、ああそうだったと映像が蘇った。舟越桂が彫ったような顔立ちに見覚えがあった。
タクシーで帰宅。
4時間ほど寝て、早起きしてTBSの放送原稿を書く。
午前、神保町。「ヤマケイ・ジョイ」編集長大畑さんとライターKさんと打ち合わせ。この晩秋、山小屋泊の登山をやることになった。前から頼んでいたのが、ついに実現。あすこがいい、ここがいい、と会話を聞いているだけで、だんだんその気分になってきた。大畑さんから『アルプ 特集串田孫一』(山と渓谷社)をもらう。じっさいの山の雑誌「アルプ」には串田孫一特集号はなかった。そこで、串田について書いた63人の文章を集めたのがこの本。書肆アクセス堀部篤史『コーヒーテーブル・ブックス』を買う。恵文社一乗寺店の店長が、好みのビジュアルブックについて語る。小粋な本だ。畠中さんとおしゃべり。
悠久堂店頭で、『岳人講座 4 秋山』を300円で。ひさしぶりに山の本を買った。ブンケンドウで細野晴臣中沢新一『観光』角川書店210円。タテキンで山田太一『街で話した言葉』ちくま文庫100円。まえがきを読むと、元本は、筑摩書房編集部の豊島洋一郎さんを相手にしゃべったものだと書かれている。『古本病のかかり方』の担当は豊島さんだ。今日が発売日だったのだ。
サン毎で、村上春樹新刊『走ることについて語るときに僕の語ること』文藝春秋の書評を依頼される。