バカまるだし

パソコン、押しても引いても、前のように扱えず苦闘が続く。
あの優しかったお母さんの背中におんぶされたい、というのは前の使い慣れたパソコンのことで、いまは新しく来たまま母に意地悪ばかりされて、押し入れでしくしく泣いている子供の気分。
ウィジェットという計算機や時計などが画面にいちいち出てくるのも腹立たしく、そのたび、消さねばならない。消すと、今度はクリックしても元の画面が動かなくなる。
ウィジェットなんて、誰が頼んだ。なんで勝手に出てくると怒り狂い、画面につばを吐きかける。あとは拭くだけだが。
習熟している人にとっては、目をつぶって歩ける道が、手足を縛られ、目をつぶって歩くという感じである。長生きをするんじゃなかった。こんな世の中になるとは。
自分がなさけなく、腹立たしく、なにをする気にもなれず、神保町の書肆アクセストークショーへは、ぜひ行かねばならなかったが、とてもそんな気分になれず、ただ沈没する。