しかし打てないねえ

人待ち顔の街角は
行くあてなしの君の夏
のぞいた僕は気まぐれな風さ
緑の夏をパラソルさして
(「パラソルさして」西岡恭蔵


ほぼ一日仕事。神保町ガイドのジャズ喫茶の原稿、約10枚。村上春樹の夫人、陽子さんが「響」でウェイトレスをやっていたのはかなり有名な話らしい。春樹クンはお茶の水「スウィング」でバイトをしていた。いつも明大前の坂を降りて、陽子さんを迎えに行っていたということであった。
ゲラが毎日、ファクスから吐き出されてくる。
妻と娘は八王子の「ますむらひろし展」へ。
午後、遅い昼飯食べがてら、立川栄「ブ」へ。文庫本200円、単行本500円セールをやっていることは知っていたが、こんな時間にいっても何も残ってないだろう。と言いながら、山田宏一平凡社ライブラリー2冊。『トリュフォー、ある映画的人生』と『友よ、映画よ、わがヌーヴェル・ヴァーグ誌』を。講談社文芸文庫から大庭みな子『寂兮寥兮』。以上200円。いちおう、105円文庫もチェックしたら、大庭みな子『寂兮寥兮』があるじゃないか。すぐ取り替える。思わず「あぶねえ、あぶねえ」と口に出してしまう。あぶないのは自分の方だ。しかし、こんな単純な失策をするようでは、「ブ」名誉市民の称号を剥奪されるところだ。
サイゼリアで『トリュフォー』を読みながら、サラダとハンバーグランチを。あれ、トリュフォー、死ぬ数年前に、ファニー・アルダンと再婚していたのね。子どもができて、まもなく死ぬ。ガンだった。52歳ぐらいで死んでいる。早いねえ。
隣りの席に、いやに日本語の達者な外人が座り、サラダとスパゲティをさっさと食べて、風のように去っていった。
阪神、中日に辛勝。しかし、打てないねえ。