『桟橋で読書する女』を見かけなくなった

村松友視『淳之介流』河出書房新社、森見富見彦『夜は短し歩けよ乙女角川書店が届く。どちらも原稿を書くためのもの。
最近届いた本では、青森「林語堂」の喜多村拓(ペンネーム)の『古本屋開業入門』燃焼社、があれこれ参考になったし、おもしろかった。つまりこれは「古本屋開業はやめたほうがいい入門」と読める本だ。「新刊も古本屋に渡った本が初めて、中身を問われ、真の値段が付けられます」なんて、値段に関してはその通りだ。
午後、外出。4時から阿佐ヶ谷で、サンデー毎日書評担当のIさんが、川本三郎さんに仕事を頼みたいが、顔つなぎに一献、ついては僕に同席してほしい、というので喜んで参上する。すると川本さんから「荻原くんもぜひ」ということで、荻原「古本暮し」魚雷くんも誘って、まだ外は明るいなか、蕎麦屋で飲む。
魚雷くん、日本酒を冷やで、ついつい飲んでいたが、店を出てから酔っぱらったらしく、一緒に歩いて高円寺まで行くことに。「風船舎」に顔を出したら、店が半分くらいになっていて、奥を作業場とバックヤードにしたとのこと。大変なんだ。
そうそう、古本の話。この日は西荻音羽館」で、「鳩よ」(谷川俊太郎特集)を100円、「考える人」(短篇小説を読もう)を500円。「ささま」均一で、谷川俊太郎『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』、清水昶『野の舟』、カポーティ『あるクリスマス』と、ここらは仕入れ用で、福永武彦『風土』、日本の名随筆『鳥』なんてのも買う。高円寺「十五時の犬」では四方田犬彦『指が月をさすとき、愚者は指を見る』600円、中央書籍で、ロレンス・ダレル『黒の迷路』(ハヤカワ文庫)200円。ダレルの『黒の迷路』ってのが、ハヤカワに入ってたとは知らなかった。
川本さんが、「岡崎さんの『読書の腕前』を読んで、あの最初の『桟橋で読書する女』が読みたくなったなあ」とおっしゃってくれたが、そう言えば、このところ、「ブ」でもめっきり見かけなくなった。前は、4、5回に一冊は見つけて、何冊か買いだめていたが、ひょっとして、ぼくの本のせいかしらん。そうならうれしいけど。
堀江敏幸『いつか王子駅で』をもうすぐ読み終えるけど、これは傑作ですよ。島村利正が読みたくなるはず。
明日は軽井沢「追分コロニー」さんへ。