田村義也『ゆの字ものがたり』新宿書房

最近、また悪夢で早朝に目覚める習慣がついてしまった。今朝は、犬の死体がゴロゴロと転がっている、起伏ある草原を、自転車で猛スピードで駆け巡るところで目が覚めた。じつに、いやな感じと爽快感が入り交じった複雑な目覚め。
今日は暖かいというより、ちょっと暑かったですねえ。桜なんか、もう散り始めてますもんん。
ようやく、文藝年鑑の「ノンフィクション概観」約10枚のめどをつける。これには、えらい準備がかかった。ずっと重荷に感じていた仕事なので、終ってホッとしている。
昨晩は、高円寺即売会を覗いたあと、コクテイルへ。イベントをやってた。即売会では、右文書院の青柳さんに声をかけられ、こっちから誘い、一緒に喫茶店で喋る。青柳さんもほんとうの本好きだなあ、ということがよくわかる。海野弘さんの、驚くべきテーマの書き下ろし単行本を準備中とか。
コクテイルには、ひさしぶりの生田さん、ひさしぶりの坂崎さんほか、知ってる顔がたくさん。西秋くんから、UBCで、あるアイデアのイベント頼まれる。おもしろそうなり。なんでもやるなり。八重洲古書館の店員二人が来て、あれこれ喋る。「ちくま」の影響力すごいらしく、あれを見て、渡辺さんに会いに行く客多しと聞く。どうやら評判よいらしく、よかった、やってよかった。
新宿書房から、田村義也『ゆの字ものがたり』が届く。なんで、僕のところに、と訝りながら、ある見当をつけて、中を開くとやっぱり。そういうことか。「八木義徳本を装丁する」という章に、ぼくの名前が出てくる。八木義徳『われは蝸牛に似て』が出たとき、ぼくはサンデー毎日に書評を書いた。そこで田村さんの装丁に言及したのだ。しばらくして、ある編集者から、田村さんのお宅に伺った時、岡崎さんの名前が出てきて、どういう人か知りたがっていたからお教えしておきました、というのだ。それが、これになったか。田村さんはこう書いておられる。
「また本書については、岡崎武志氏が書評欄で、『装丁の田村義也が描いた表紙の蝸牛は、見れば見るほど八木文学の哀切と詩情を写しとってみごとだ』と評してくれた」
ありがたいこっちゃなあ。
綿矢りさ『夢を与える』河出書房新社も届く。これは中央公論用。
昨夜、ウデイ・アレン『ギター弾きの恋』を観ていて、あ、これはフェリーニの「道」や!と思う。ちょうど、その晩、コクテイルで、音羽館の広瀬くんがフェリーニが好きって話をしていたんだ。
きっつい日が続くので酒量が増える。溶けてしまいそうですねん。