文学はひとりでできるベンチャービジネス

一つ、訂正。彷書月刊、マンガ特集は次号。だから締切も一カ月後だった。なんだか、いろんなことが頭のなかで錯綜して、こんがらがってしまった。
昨日、吉祥寺「ブ」で吉田拓郎『豊かなる一日』を買う。肺がんの手術のあと、フルオーケストラでツアーをしたライブ。ぼくは東京フォーラムでみている。そうか、こんなCDが出ていたのか。
ヒッチコック「海外特派員」をビデオで見る。3回目かな。ロンドンの雨傘がたくさん開いた中での暗殺シーン、オランダの風車のシーン、飛行機が墜落して海水が機内に流れ込んでくるシーン、帽子をしつこく何度も飛ばすシーン、ホテルに来た暗殺者から逃れるため、片ッぱしからルームサービスを頼むシーン(マルクス兄弟)、いずれも素晴らしい。惚れ惚れするテクニック。ヒッチコックの中でも好きな作品。そのユーモアも含め。
産経新聞の大阪支社から原稿依頼。Mさんから。毎年、一回、恒例のようになってきた。関西にちなむ話題で、好きなことを書かせてもらっている。一回目が「つづり方兄妹」、二回目が「枚方パーク菊人形の終焉」。さて、今回は?
来週月曜日、解説を書かせてもらう芦辺拓さんからの申し出で、編集者を含め、顔合わせを兼ねて一献傾けることになった。
関川夏央『女流 林芙美子有吉佐和子集英社、おもしろい。カバー、タムラフキコのパステルっぽい絵がいい。林芙美子、「文学は彼女にとって生きるよすがであり、生活の手段であった。つまりひとりでできるベンチャービジネスであった」という言い方が、関川らしい。今月「インビテーション」書評は、貴田庄『小津安二郎 文壇交遊録』中公新書に決めて、メモを取りながら読みはじめる。貴田さんには取材で二度会っている。