『古本病のかかり方』絶版!

昨日、ようやく世田谷パブリックシアターの原稿10枚を送付。「レパートリー」というテーマで、本を選んで紹介するのだが、思いのほか難航。締切を大幅に遅れる。関川夏央汽車旅放浪記』新潮社をほぼ読み終える。関川の「鉄」ちゃんぶりを発揮した好エッセイ集。しかし、初出がないので、どこに発表されたものかわからない。敦賀へ行きたくなる。このところ熱中しているのが、『文字の大きな時刻表』と『全国古本屋地図』を傍らへ置き、古本屋巡りのコースを考えること。いちいち、「日本の古本屋」のサイトで、古本屋の現存を確認しながら、『地図』を改訂している。地方の古本屋がこの6年でずいぶん消えていることがよくわかる。『地図』はすでにあちこち書き込みだらけで、まさに天下一本なり。
サンデー毎日終えて、ささまへ。佐伯泰英『闘牛』(平凡社カラー新書)210円を買ったのは、中央公論の連載で、佐伯の『捨雛ノ川』を取り上げるから。時代小説を書き下ろしで文庫で出版することで有名な作家だ。もとはスペインのことを書いてた。ほか、磯田和一『東京遊歩東京乱歩』525円などを買う。
ハラハラドキドキの毎日なのに、「サンデー毎日」のコラムページで一本書いてくれ、と懇願され、きゅうきょ、黒岩比佐子さんや川本三郎さんが登壇する夏の文学教室のネタについて書く。もうこのあたり、自分で書いていて自信がない。ほとんど眠らず、今朝TBSへ。
帰宅して昼食取りがてら立川栄「ブ」へ。現代の詩人『鮎川信夫』、安西水丸和田誠『テーブルの上の犬や猫』、木戸征治『フォトガイド 東京歩き』などを拾う。ひと寝入りして、これからまたJノベルのエンターテイメント時評を書く。ふつう、月の終りから次の月始めにぽっかり、わりと日溜まりの縁側のような時間ができるのだが、今回それがなく、激流に流されるようにここまで来た感じだ。
東京書籍から『古本病のかかり方』の絶版通知があり、ちくま文庫への収録をお願いする。どうやら4冊目のちくま文庫が出そう。PR誌「ちくま」にもこの秋から女性古書店主の取材の連載が始まる。
あ、そのちくま文庫から塩山芳明『出版業界最底辺日記』、大川渉編『短篇礼讃 忘れかけた名品』が届く。塩山さんのは、さすがにすごい。これだけ書けば気持ちいいだろうな、という暴れっぷり。しかも新幹線通勤の車内での読書はめちゃくちゃ正統的。正統と異端、という言葉を思い出す。『短篇礼讃』も目利きのセレクトで並んだ作品名を見るだけでも気持ちいい。
彷書月刊」に連載されている橋爪紳也さんの「紙屑のモダニズム」が、角川選書から、『ニッポンのモダニズム』という本になりました。あとがきに「彷書月刊」の宣伝がしてあって(さすが義理堅い)、そこに書き手の一人としてぼくの名前も出ていたので、思わず買ってしまう。