読んで、読んで、読まれて、読んで……

昨日、雪でしたねえ。驚いた。アスファルトの地面は黒かったけど、路肩や、土の上は白かった。娘と小さめの雪だるまを玄関に作る。小さな紺色の紙袋を二つに破って、片方を帽子にして乗せたらよく似合った。
昨日、今日とずっと本を読んでいた。TBS用に、高橋呉郎『週刊誌風雲録』文春新書。「ジェー・ノベル」小説評のため、絲山秋子ニート角川書店、島村洋子『恋ひらり』光文社、畠中恵『アコギなのかリッパなのか』実業之日本社佐藤洋二郎『夏の響き』集英社など。女性作家が多いのは、女性作家のものがいま目立つからで、しかもみんな巧いんだよ。しかし、いちばん強く印象に残ったのは佐藤洋二郎『夏の響き』だった。帯の惹句を写しておこう。
 「玄界灘が見渡せる古墳山。男は、父の遺した土地に夢を託した。淡いようでいて濃密なそれぞれの関係を通して人の営みの哀歓を描く、著者初の書下ろし小説」
昨日は雪に閉じ込められたので、今日は、高円寺の中央線古書展へ行こうと思ってでかけたら、やってなかった。あれえ、予定表には出てたが。どうも中止になったようだ。ZQの均一を覗いたら、栗田勇訳の現代思潮社『マルドールの歌』があった。中西夏之装丁の函入り本だ。これが52円。ほか店内あわせ数冊を買う。荻窪へ移動。ささま店頭は、雨の日スタイルで、軒先に均一台が引っ込められている。ここでも栗田勇『都市とデザイン』SD選書(真っ黒な函入り本ね)を。1965年刊のこの本、外からはわからないが、なかに横尾忠則のイラストがたくさん入っている。カラーも2葉あり。要チェックですよ。ほか、9冊ほど買う。高田敏子『月曜日の詩集』河出書房新社フォアレディースっぽい装丁だと思ったら、宇野亜喜良でした。写真と詩で構成。しかし、詩はつまらないや。
いまごろになって、話題の豊崎由美岡野宏文『百年の誤読』ぴあ、を読んでる。仕事用の読書の骨休めに読むってことだ。この100年の日本のベストセラーを対談で読む。ほとんどこきおろす、って感じだが、読みが確かなことと、芸があるのでおもしろく読める。しかし、これギリギリの線ですよ。
そうか、音羽館でも4冊買ったんだ。広瀬くんから、横浜そごうで2月2日から開催の「谷内六郎の軌跡」展招待券を2枚もらう。それと、音羽館のお客さんが開く(2月吉日)書庫バー「ひらいし」の案内をもらう。四谷三丁目交差点近く、新宿区須賀町5・3 四谷アパートメント204 電話03・5919・0371 このところ、本棚を置くバーは増えているが、ここは5000冊を置くというから、本の量がすごい。基本的には会員制、とあるが、案内状があれば、初回は大丈夫というので行ってみよう。
あ、そうだ。ちくま文庫20周年記念の、ちくま文庫解説集に、ぼくが川本三郎さんの『東京おもひで草』に書いた解説が収録されるみたい。光栄です。みなさん、なんとか入手してください。
こんなところか。これから原稿だ。もう疲れてしまったが。
上々堂のブログを読んだら(よく続くねえ、しかもなかなかの名文)、明日が谷内六郎の命日なんですね。