なのにあなたは「ささま」で買うの

月は代わって11月1日、夜9時帰宅。これからたぶん朝まで、ごちゃごちゃとあるので手短に。
10月30日夜、支度をして家を出る。荻窪で丸の内線に乗り換えるので、ついでに「ささま」へ寄る。均一に永井龍男が大量に出ている。あれこれほかも含め7冊ほど買い、レジに預ける。ふつう買うか、これから明日、大阪へ行くのに。
夜は赤坂エクセル東急に宿泊。翌朝6時起き、7時に神保町。TBS森本毅郎スタンバイの現場にアタックに急きょ出演。神保町古本まつりと古本について語る。そのまま東京駅。新幹線で大阪へ。「文藝春秋特別版」の取材で、司馬遼太郎と大阪の古本屋さんの関係について、天地、高尾書店を訪ねる。そのまえに、時間があったので天牛天神橋筋店へ寄り、「ミーツ」に「古本界の緒川たまき」と評された美女店員、平さんに挨拶。すると、店内にハーフノートさんが出現。おやおやと、平さんに紹介する。1968年に長新太が書いた英語の絵本(しかも名古屋の出版社が出している)、「したきりすずめ」「はなさかじじい」「うらしまたろう」(すべて英語表記)を買う。一冊200円! 平さんによると「和田誠のもあったんですが、すぐ売れました」とのこと(あとで石丸くんに電話して聞いたら「そんなん、見たことないですよ。そりゃ、ホームランです」と言ってくれる。ありがとう、ありがとう)
なんてふうに書いていたら、仕事ができない。天地、高尾で充実した取材(これはほんとうにやってよかった)を終え、『古本屋人生あんなことこんなこと』(大阪府古書籍組合創立80年誌)、『一誠堂100年誌』(タイトルは違う)なども頂戴した。
夜は京都泊。山本と「ヤマトヤ」というジャズ喫茶でビールを飲みながらあれこれ話す。山本は、2日から、阪急百貨店で古本を売る。そのチラシに「古本ソムリエ 山本善行ノ世界」なんて書いてある。いよいよ、「古本ソムリエ」の称号が定着してきた。6、700册を放出したという。
今日、1日は知恩寺、青空古本市。天気もよく、気持ちよかった。戦前からの婦人雑誌の付録3点で500円、源氏鶏太『東京一淋しい男』サノシゲ本、内田百聞『居候匆々』小山書店、谷中安規画、裸本、大正11年の『図案文案満載 チラシの拵え方』三冊で500円ほか15冊ほど買う。高橋輝次さん、にとべさん、扉野、山本、ぼくで昼食、コーヒー。このあと、山崎書店で林さんの装幀展を見る。
家族に阿闍梨餅をお土産に買って東京へ。これからやらねばならぬことあれこれ、考え、目の前が真っ暗になり、奇声を上げていると、娘が「おとうさんが狂った、おとうさんが狂った」と部屋をグルグル回る。猫があちこち走り回る。いっそ狂ったほうが楽なのだが、と思う。