ネコが二階でなく夜なり

悪い目覚め。午前中、府中病院まで薬の処方箋をもらいにいく。病院はたいへんな混雑。病人だらけ。診察も検査もなし。ただ処方箋をパソコンで打ち出してもらうだけで3時間かかる。待つあいだに、倉橋由美子夢の浮橋』を読む。これは大変な傑作。ずいぶんアブノーマルなテーマなのだが、あくまで筆致は典雅。映画化されなかったのが不思議。濃くのある、文藝のおつゆたっぷりな小説が読みたい人、おすすめです。
帰り、国立駅へ。途中、谷川書店で篠田一士吉田健一論』筑摩書房を600円。「ブ」で、なかにし礼の作詞集『昭和忘れな草新潮文庫を。帰宅すると、古本の取材を受けた関西の雑誌「ミ−ツ」が送られてくる。ぼく、いろんなポーズ取らされ、それが切り抜きでマンガチックに使われている。いかにも大阪の乗りなり。メールで、担当編集者から一部コメントに入力ミスがあり、つじつまがあわないところができたと伝えられる。なるほど、矢野書房についてのぼくのコメントがちょっと変。しかし、編集者には「ドンマイ、ドンマイ」と伝える。大阪へ行ったらいつも寄る天牛書店天神橋店の平さんという女性が「岡崎さんの大ファンで」とコメントしている。ホントかね。写真見るとめちゃくちゃ可愛いヒト。「古本界の緒川たまき」と書いてある。今度大阪へ行ったら、平さんに会いに行こう。
文藝春秋社から「諸君!」が送られてきて、これは、最初なぜだかわからなかったが、池谷さんの連載「古本蟲がゆく」が下鴨古本市のレポートで、池谷さんの取材のおり、ぼくもちょうど現場にいて挨拶をした。そのとき、担当編集者Mさんもいて、そのMさんが送ってくれたのだ。見開きによる下鴨神社の古本まつり会場の俯瞰からのイラストは圧巻。初めて鳥の目で、会場を見渡すことになる。よくぞ、これだけ細かい、正確な仕事ができるもんだと、ただ舌をまく。
今夜、家族で外食へ行っているあいだに、ネコが二階の屋根にまで上がってしまい、しかも降りられなくなって、みゃあみゃあ啼いていたらしく騒ぎとなる。