剃るぞ!

昼、文藝春秋特別版のIさん、Mさんと神保町で打ち合わせ。司馬遼太郎について書くことに。司馬さんとゆかりの高山本店、司馬本を蒐集する巌南堂へ案内する。巌南堂の一階店舗がいつのまにかレストランになっていた。6階に店舗は移転。さすが、司馬本は揃っていた。『白い歓喜天』『梟の城』『豚と薔薇』などは○十万円ついている。ほか、司馬作品掲載の雑誌などにも値段がついている。なるほどなあ。
湘南堂の店頭均一で新書を物色。講談社HOWTOBOOKS、大松博文『おれについてこい!』『なせば成る!』は珍しくないが、いっしょに八田一朗『剃るぞ!』が並んでいて、勢いで三冊とも買う。ついでに前原太郎『呼出し太郎一代記』ベースボール・マガジン社も。八田はアマチュアレスリング協会会長。『おれについてこい!』と同じく、東京オリンピック本だ。しかし『剃るぞ!』はすごい。
あと「ささま」荻窪「ブ」でもちょこちょこっと買う。「ブ」では、中央公論社の「日本の文学」、阿部知二永井龍男の巻を買う。ここに「風ふたたび」が、長篇では唯一収録されているのですね。どうです、あっさり入手、でしょう。少し読んだが、映画ではあいまいなところがはっきりする。そして、やっぱり文章がいいの。それから原節子の女ともだちは古本屋じゃなかった。新刊の本屋さんだった。
荒川洋治『世に出ないことば』みすず書房を読了。おもしろいなあ。例えばよく「行間を読む」というが、荒川さんはこう書く。「どんな文章もしっかり読んでいけば行間は存在しないのだ。しっかり読まないから、わからない。あたりは行間だらけになる」。読書の急所をついた名言が散らばる。
「サンパン」の文章、どれもおもしろかったが、向井透史くんがいよいよ抒情の境地に。しかもうまい。だから、もっと早い目につぶしておいたほうがよかったんだ。こんなにうまくなったんじゃあ、もう手遅れだよ。
阪神、鼻唄で巨人を破り、マジック1。明日をどう迎えるか、いまからドキドキだ。記念に「ブ」へでも行くか。