無題

数日、涼しく、窓を開けて寝たせいか、体調悪い。半日かけて、どうにか書肆アクセスのフェア用の原稿を作る。山口昌男『「挫折」の昭和史』の一部を、必要あって読み返していて、参考文献の中公新書、富塚清『ある科学者の戦中日記』が気になる。さっそく探求リストに加える。それから筒井康隆『乱調文学大辞典』の単行本のほうが、急に欲しくなる。もうずいぶん前に売ってしまった。どこかで最近、見た記憶があるのだが。
夕方、大きな地震あり。ニュース見て、母と姉が別々に心配して電話してくる。被害なし、と答える。じっさい、本棚から本が落ちてくるようなこともなかった。じつはちょうどベッドで寝ていたところだった。珍しく父親の夢を見た。いっしょにぼくの娘がいて、じっさいにはありえない光景。映画館だった。自分の飲んでいたサイダーのようなものを、父親に渡し、それを一挙に飲み干す。振り返ると、客席には見知った顔がいっぱいいて、なんだ、みんな来てたのか、と思う。娘はまだ2、3歳というところか。変な夢だったが、それでも父親が出てきたのは懐かしかった。
昼間ずっと家にいたので、夕食後、娘と夜の「ブ」散歩。東大和、砂川とまわり、西村孝次『休み時間の英文学』青土社、エリック・ガーニィ『ぬけめのない猫とくらすには』晶文社、文庫で青山光二『われらが風狂の師』新潮、加賀乙彦『日本の10大小説』ちくま学芸などを買う。
明日も仕事。
右文書院から、濱田研吾くんの『傍役本』届く。いわゆるタレント本を、茶化さず、これだけていねいにつき合った仕事はないのでは。若水ヤエ子のところで、「いまや忘れられた存在ながら、昭和三十年代のヤエ子は」って、あんた、いったい歳はいくつや! と、濱田本のとき、こうやって突っ込みながら読むのが楽しみになっている。うらやましいような誠実な仕事だ。