ネコが地下に降りてきた

日本サッカー、勝ちましたね。ああ、ぼくもこういうこと、書くようになったんだ。まあ、サッカーのほうより、「日本」のほうに、強く関心がいくんだね。日本人だからね。しかし、大黒、ずっと出してほしいよ。だめなの? 彼が入る前は、なんか、いつもダンゴで、ボールが通る道筋が見えないけど、彼が動くと、パーッと前が開けて、ボールが飛んでいく道筋ができるでしょ。快感ですよ。ま、素人の意見だけど。
さて、今日はよく仕事をした。午前中、朝、早起きして、みっちり仕事をして、都心へ。神保町経由のサンデー毎日だ。途中、彷徨舎へ寄って、写真の代りのカットを手渡す。タムラさんが、分厚いゲラの束を持っていた。聞くと、近代ナリコさまの本のゲラだという。パルコ出版から近々出るとのこと。すごいねえ。
サンデーで、今週締めきりの文庫コラム用に野村無名庵『本朝話人伝』中公文庫を選ぶ。新刊じゃなくて、復刊、というべきだろうけどね。
帰り、荻窪下車。いつものように「ささま」詣で。今日は均一にいいものがたくさん出てたなあ。基準を緩めれば、たちまち30冊40冊買えそうなほど。いつも均一ばかりで恥ずかしいけど、以下を買う。
眼球譚 月球譚』牛若丸は、さまざまな東西の絵から、左ページに月、右ページに女性の左目のみを、トリミングして載せた本。変わってるでしょう。構成は『眼の冒険』の松田行正さんだ。
藤田富士男『伊藤道郎 世界を舞う』武蔵野書房杉森久英『小説 菊池寛中央公論社島尾敏雄魚雷艇学生』新潮社、谷川俊太郎『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』青土社(もう、これまでに何冊買ったことか)、立川直樹『セルジュ・ゲンスブールとの一週間』リトルモア町田町蔵詩集『供花』思潮社(どうやら扉にサインが入ってるみたい。印刷じゃないよね)、池内紀『諷刺の文学』白水社、『新訳 シートン動物記2』新潮社(昭和30年刊、箱入りのかわいい本なのさ)、『俳句の現在12 鈴木六林男 三橋敏雄』三一書房、永瀧達治『さよならゲンスブール共同通信社朝吹登水子『パリの男たち』講談社、以上。
ようするに、今日はパリものがたくさん出てたよね。石川淳辻邦生、川村二郎なんてところはごろごろしてるし、ああ危ない危ない。
帰宅したら『本とコンピュータ』終刊号が届いてた。ぼくは、この雑誌、「本」の部分だけに注目し、「コンピュータ」の部分は黙殺してきた。どうしても関心が持てないのだった。ファンだから、西江雅之さんの「本からはじまり、本におわる」を読み進めて驚いた。幼少時からの読書体験を書いているのだが、中学時代、内山賢次訳のシートンの『動物記』を読み始めた、とある。本のあとがきに、訳者がインディアン語の不明な点について、「識者の教えを乞う」と書き、なんと西江少年がそれに返事を書く。「ロングフェローの作品『ハイアワサ』に出てくる単語」だとわかったのだ。これが縁で、西江さんは内山さんに可愛がられることになる。
ぼくが今日買った『シートン動物記』の訳者は内山賢次なのだ。たぶん、西江さんが読んだのは旧訳だと思うけど。だいたい、ぼくが『シートン動物記』を買うってのが変なんだよ。何か、予感があったのかしらん。
今日、ネコが地下に降りてきた。いちおう、階段の上に降りてこられないよう、踏むと痛いボードを置いてあったのだが、難無く飛び越してきたらしい。地下、初体験だ。ネコもびっくりしただろうね。なんじゃ、本だらけじゃん、て。このうちはどうも変わってるわい、と。