一生の不覚

一生の不覚であった。本日、小平中央図書館で年に一度の古本バザーあり。小平図書の会が主宰で、市民から寄付してもらった古本を、格安で販売。単行本なら一冊30円くらい、文庫は15円とか20円とか。10時開始をすっかり忘れ、今朝はTBSモードに入り、6時から目が覚めていたのに、結局でかけたのは12時半くらい。出遅れすぎ。さっそく文庫本を大量に並べた机にとりついて、物色するが、ちくま、ちくま学芸、中公、講談社文芸、講談社学芸、岩波なんてところはすっかり抜かれている。そりゃあそうだ。業者も鵜の目鷹の目でこの日を狙ってやってくるのだから。
文庫を捨て、単行本の机にとりつく。柱の脇に100冊以上積み上げ、その上に鞄を置き、確保している若い男を発見。ネットで古本屋をやっている若者か。ほか、段ボール箱にすでに満杯にしている初老の男性もあり。やられちまったか、と気になって集中できない。それでも、1時間ほどかけて全部で50冊ほど買う。50冊買って、合計1140円とか、だった。安いねえ。田中小実昌『女類学入門』作品社、小沼丹『椋鳥日記』講談社、『小島信夫をめぐる文学の現在』作品社などはよく残っていたと思う。児童書コーナーに「たくさんのふしぎ」がごそっと出ている。タイガー立石を三冊、それに宮脇俊三御殿場線ものがたり』、森枝雄司『パリ建築たんけん』『バルセロナ建築たんけん』など、欲しかったのが見つかって、これはよかった。一冊30円くらいか。
文庫は26冊も買ってしまう。むしろ新書の大江健三郎『夜よゆるやかに歩め』ロマンブックス、永井龍男『設計図の上の消しゴム』みみずく新書が珍しい。前者はもとは中央公論社から単行本が出て、ロマンブックスへ。いまなら文庫に入るようなものだ。ところが、以後、この作品は若書きの不出来な作として、全集などには未収録となる。もとの中央公論社版はだから高いはずだ。後者も同じ四季新書みみずく新書の永井龍男もののなかでも見ないもの。検索すると一件だけヒット。龍生書林さんが3675円つけていた。
いったん家に帰り、濡れふきんでカバーを清掃し、また家を出る。国立「増田書店」で、書評用の島尾敏雄『死の棘日記』新潮社を買う。パン屋に併設された喫茶室に入り、少し『死の棘日記』を読む。家に戻り、夕刊を広げたら、文化欄に島尾ミホが『死の棘日記』について語った記事が出ていてびっくり。さっそく切り抜いて、本に挟む。
昨日、今日で80冊以上、本を買った勘定になる。これはやりすぎ。