原宿竹下通りは修学旅行生でいっぱいだった

午後、日月堂さんを取材。JR原宿駅から歩く。竹下口から出たので、そのまま竹下通りを歩いたのだが、修学旅行の中学生(でしょうね)でいっぱい。おまけに辻ごとに黒人が立っていて、呼び込みをしている。なんだか不思議な光景ですね。原宿「ブ」では、犬養健揚子江は今も流れている』中公文庫ほか、書くほどでもないものを5冊ほど。
日月堂の佐藤さんとは久しぶり。1時から4時まで、あれこれ話を聞く。佐藤さんの御両親のこととか、少女時代の話とか、これまで知らなかった。お土産にタンタングッズをいくつかもらった。ありがとう。佐藤さん、日月堂をはじめて10年目の今年が勝負だ、と言っていた。ぼくは古本屋の未来形として日月堂を高く評価し、佐藤さんはトップランナーだと思っている。
今日は寒い。帰りも原宿まで歩こうとも思ったが、ケツわって、地下へもぐる。銀座線で赤坂見附まで戻り、丸の内線で荻窪へ……とくれば「ささま」でしょう。あんまりひんぱんに行くと恥ずかしいのだが、しかたがない。「ささま」で均一を漁っていると、弟から携帯に電話。なにかと思えば、「お兄ちゃん、神田山陽って知ってる?」「知ってる。えらい人気や」「ほんま、いやじつは、ざこばと楽太郎の会で、山陽を聞いて、びっくりしたんよ。めちゃくちゃ巧いし、おもしろい。天才やな。東京やったら、もっと聞けるのかなあ、思うて」「そうか、そやなあ。いま若手の芸人というと、必ず名前が挙がるなあ」などと、ささまから荻窪駅方面へ歩きながら話す。わざわざ携帯電話で、ひさしぶりに兄弟で交わす会話がこんなこととは。
いつもは素通りしてしまう(すんません)「岩森書店」の店頭に、なにやらいい匂いのしそうな本が転がっている。近寄ってチェックしてドキッ! 函なしではあるが、石黒敬七『蚤の市』岡倉書房がある。見返しを開くと、筆文字で著者の献呈署名がある。値段は、100円! くわあっ! そのほかにも、なにやらゆかしげな古本が無造作に均一台に転がっている。全部買っていいような本だが、堀口九萬一『世界の思ひ出』第一書房という海外渡航本をとりあえず確保。堀口九萬一堀口大学の父。外交官で随筆家。工藤美代子『黄昏の詩人 堀口大学とその父のこと』(マガジンハウス)にくわしい。すると、隣りに客の影が。しまった、ライバルが現われた、とちらりと横を見ると、なあんだ、先日、UBCで仕事の相談を受けたTさんじゃないか。あのあと、金井書店が募集をかけていることをHPで知り、教えておいた。さっそくTさんは応募したみたい。それが昨日。そして今日、だ。しかし、『蚤の市』はすげえや。佐藤さんと、パリのクリニヤンクールの話をしてたばかりで、『蚤の市』を開くと、いきなりその話だ。これは次回、均一VS赤貧対決の目玉商品になりそうだ。
その余勢をかって、国立「ブ」にもちょいと寄る(しかし、あんさん、熱心ですなあ)。写真絵本『きしゃにのっていってきます!』小峰書店山口昌男『語りの宇宙』冬樹社ほか、7冊を買う。
家へ帰ると、UBCの売れ残り商品が宅急便で送られてきていた。メールを見ると、西秋くんが撤収し、宅急便で送ってくれたらしい。面倒をかけてしまった。今回、3日間で40冊を売った。2万7000円くらいの売り上げ。