ときどき、「ポセイドン・アドベンチャー」の神父ジーン・ハックマンのことを思い出す。大型客船内でクリスマスパーティーが開かれるなか、船が転覆、真っ逆さまで海中に沈みつつある。下に留まれと主張する者が多いなか、異端神父は「船底を目指せ」と有志を誘導する。彼は神職にありながら「神は忙しい 勇気をもって戦え!」と、鼓舞するのだ。何かと足手まといになる太ったおばさんが、神父を救うため水の中に飛び込む。夫に託したペンダントに彫られた文字は「人生は常に意義がある」であった。しかし、心臓発作で命を落とす。胸がしめつけられるシーンだ。この映画には「勇気とは何か」を考える全てが詰まっている。