okatake2016-05-10

昨夜2時に寝たのだが、やっぱり7時過ぎに眼がさめる。昨夜は雨のなか、日本橋三越劇場」へ。小泉今日子朗読、浜田真理子歌・ピアノによる「マイラストソング」を鑑賞。三越劇場は初めて。「東京都中央区日本橋室町にある三越日本橋本店内本館6階にある劇場である。座席数は514。 1927年に、三越ホールとして開場した」という。このデコラティブで、古めかしくゴージャズな空間を内覧するだけでも価値がある。1、2階席で約500のキャパだから、一番後ろの席でもじゅうぶん見える。
いつも久世朋子さんから御誘いを受ける、従者グループからの御誘いがあって、リーダーの金丸姐さんにチケットを取ってもらって行けた。行ってよかった。唱歌から歌謡曲、軍歌まで、浜田真理子がピアノで弾き語りし、その曲にまつわる久世光彦のエッセイ、もしくはドラマでのエピソードを小泉今日子が語るというシンプルな構成で、これまで日本全国で公演が行われてきた。「港が見える丘」に始まり、「朧月夜」「ひとりじゃないって」「月の砂漠」「プカプカ」「街の灯り」など、抑揚や感情をあまり込めず、ちぎって投げるように浜田真理子が歌う。フシギなもんで、そこに余情が生まれ、聞く者の想像力をかきたてる。ブルースフィーリングでの歌唱による「ひとりじゃないって」には驚いた。そう来るか、と思ったのである。圧巻は、久世光彦「マイラストソング」のなかでも屈指の名文による紹介で「さくらの唄」が歌われた。場内の感動が一つになって、ひたひたと波が打ち寄せるように迫るのがわかる。歌って、いいなあとバカみたいな当り前の感想を持った。知っている歌ばかり、というのもよかった。
場内には向田和子、小林亜星川上弘美各氏の姿も見える。顔見知りの編集者何人かとも挨拶。打ち上げ会場に、朋子従者の四銃士が一番乗りで、生ビールで乾杯。脳天松くんの幸せ話で盛りあがる。そのうち、続々とこの日の出演者、浜田さんと小泉さん始め、久世朋子さんなど現れ、50名近い盛大な打ち上げとなった。小学館の村井さんとも久しぶりに喋る。函館、佐藤泰志のことなど。
散会後、中央線組の三人で阿佐ケ谷途中下車。終電まで、老女が切り盛りする、路地裏のカウンターだけの小さなバーで飲む。もうとっくに日付は変わっていた。