梅雨の夜半、深酒すぎるなり。ワイン一本けろりと空ける。
午後、雨の中、自転車転がし国立へ。このところ、毎日のようにうろついている。国立「ビブリオ」うちわ展終了。ぼくは3枚売る。プロの方々の精巧な仕事にまじり、名前で売ったというところあり。精算と売残りを受け取り、十松くんと歓談。栗田倒産について、国立について、来月の「中川フォーク」について(チラシ用のイラストを渡す)。国立南口正面に、もう長らく使われず放置されたビルあり。中途半端な敷地で、それにしては高く、買い手がつかないらしい。しかし、荒れ果て、街のイメージをすこぶる損ねている。
増田書店で新刊チェック、ドトールでアイスコーヒーとタバコ2本。岩波文庫版『啄木歌集』をちびりちびり、ずっと読んでいる。『一握の砂』の後半、「水のごと/身体をひたすかなしみに/葱の香などのまじれる夕」あたりからの、街歩きの連作がすばらしくいい。
「気弱なる斥候のごとく/おそれつつ/深夜の街を一人散歩す」「皮膚がみな耳にてありき/しんとして眠れる街の/重き靴音」「夜おそく停車場に入り/立ち坐り/やがて出でゆきぬ帽なき男」など、モノクロームのスナップショットが「瞬殺」で情と景を捉える。