もう6日か。えらいことになってきた。
光文社文庫のミステリアンソロジー『ハーボイルド傑作選 わが名はタフガイ』の目次を見ていると、北方謙三片岡義男逢坂剛大沢在昌にまじって、小川国夫「物と心」が収録されている。私立探偵は出てこないが、なるほどなあ。つまり、ヘミングウェイを通過した硬質の文体で描かれた小説として、あえて「ハードボイルド」の範疇に入れている。わずか2ページの超短編ではあるが、こういう試みはいいなあ。ミステリ中心の読書をしている人が、なかなか出会えない作家だからだ。