okatake2013-07-22

『蔵書の苦しみ』増刷の知らせが入りました。早いなあ。みなさんのおかげです。ありがとうございました。また誤植というか、私のミスが。「大逆事件」とあるのは、「甘粕事件」のまちがい。時代がまったく違う。こうした間違いが正せるのは、増刷のおかげ。ほんとは、最初っから気をつけておけばいいんだけど、いや、気をつけているつもりなんだけど、洩れてしまう。とにかく、気を引き締めて走れるところまでがんばっていきます。これからも応援、よろしくお願いします。
書斎のある地下は室温が28度以上に上がることはまずなく、今年もまだエアコンをつけていない。除湿は一度した。「BIG BOY」でいい音で聞いたせいか、またジャズを聞き始めている。こんなの買ってたんだ、とCDラックの前で、何度も思う。今日は趣向を変えて、二枚組の「俺たちのフォーク!」。
何日か前、日本でただ一つの「国立(こくりつ)」の古書店、じつは「くにたち」と読む国立古書センターで、木村聡『赤線跡を歩く』を500円で買う。ちくま文庫版は持っているが、元本の写真はカラーが多い。枚方公園から枚方まで古い旧街道筋が残っていたが、あれが一部「赤線」だったのか。ぼくがいちばん最初に、そんな雰囲気を感じたのが、本書でも紹介されている京阪沿線「橋本」。もう中学に入っていたか、姉と知り合いの家を訪ねてこの駅で降りて、淀川方面へ歩いていったが、小さな橋をわたると、これまで見たこともないような町並みがあった。夢のなかの町、のようであった。後年、あれがそうだったか、と気づいたのだ。
この本が出てから(取材はもっと前)15年、すでに各所の風景は変っているだろう。墨田区「鳩の街」には、かろうじてまだ面影が。立川は、近年、ちょっと探索したが、ここにも欠片が残っている。しかし、これ、いい本ですねえ。