okatake2013-05-22

吉田秀和の余熱で、「ブ」でルービンシュタインがカルテットでモーツァルトを弾いたのを買ってきて聴いている。
昨日は、二日がかりで、村上春樹新作についての原稿に悪戦苦闘。最初、漱石「こころ」との類似を指摘し、というふうな原稿を書いていたのだが、石原千秋がすでに『ノルウェイの森』と「こころ」の比較分析をしていることを知り、これはいかん、と撤退。一から書き直すことに。たかだか5枚くらいの原稿に、予想外に苦労してしまう。いや、この苦労は大事なことだぞ、といい聞かせる。
夜は中野で、ちくま文庫編集者のKくん、元本の学研新書もと担当のNくんと三人で飲む。『昭和三十年代の匂い』は、今月のちくま文庫のラインナップのなかでは、いちばんよく売れていると聞いてうれしい。
二人から出版界のいろいろおもしろい話が。メモしておけばよかった。
電車のなかでは、レベッカ・ブラウン『犬たち』マガジンハウスを。うーん、これは、ぼくの知ってるレベッカ・ブラウンとは違う世界で、しかもあの綿密なタッチはレベッカ・ブラウン。まいりました。装幀(芥陽子)がいい。