高原山脈を越えざりしかば

午前中、一本教育誌の原稿を書き、もう一本途中まで書きかけて、外出。午後から、中央線沿線古本屋取材。「東京人」が中央線特集をするので、古本屋取材を依頼される。なにか新手をと思い、「高原山脈」というテーマを考える。前からやりたかった取材なり。中央線の古本屋さんは町田「高原書店」出身者が多い。それを数珠つなぎに話を聞いていこうという趣向。
吉祥寺「よみた屋」で澄田さん取材。奥野健男編『太宰治研究』筑摩、ミュージックマガジンムーンライダースの30年」を各100円で買う。もっと買えそうだったが、取材がこれから続くので自重。
続いて阿佐ヶ谷へ移動。南口の「阿南古堂」久我さんを取材。ここで「東京人」編集者Kさん合流。阿佐ヶ谷の古本屋紹介もするつもりなので、風船舎、銀星舎、石田書店に案内する。
ここでKさんと別れ、西荻へ。音羽館の広瀬くんに取材。100円均一から山田宏一を2冊。『映画について私が知っている二、三の事柄』と、『美女と犯罪』。カウンター内に入って、レジ横から広瀬くんの話を聞いていたが、お客さんが次々と本を持ってくる。それを店主の目線から見ていたらおもしろい。
ささまの野村くんに電話。今晩でもいいというので、コクテイルで取材することにして、高円寺へ移動。野村くんの到着を待つ。荻原魚雷『借家と古本』コクテイル文庫をいただく。この晩は、久住兄弟(別々に来てぐうぜん、店で顔を合わせたらしい)、澄ちゃんが来て、てぬぐいライブの再現となる。
11時で辞したが、今月末へ向けてのこれから先のあれこれ考えてると、また気が重くなる。うつむいていると、シャツにごはんつぶが乾いて数カ所こびりついていた。晩飯の、だな。いままでずっと気づかなかった。ごはんつぶつけて、どこいくの? あの山越えて谷越えて、丘を越えていこうよ。真澄の空はほがらかに晴れて。