団地の中を通り抜けるとき

okatake2009-08-25

いよいよ涼しい。このまま、秋ですかね。ちょっと、どこかへ行きたくなりますね。
北海道新聞書評、三崎亜紀『刻まれない明日』原稿を送付。森まゆみ『起業は山間から』も読了。
8月25日「朝日」のオピニオン・インタビュー「アラサーが語る」で津村記久子が登場していたが、この記事がおもしろかった。「唐揚弁当の豊かさ やばい未来への不安」というタイトル。いま書いている本の有力なヒントになる「貧困」論だ。津村ってヒト、やはりただ者ではない。未読の作品、読んでみようと思った。
ビッグイシュー」に連載を持っている関係から、高松英昭写真集『STREET PEOPLE』太郎次郎社エディタスを送っていただいた。「ビッグイシュー」を路上で売っているホームレスたちを撮った写真集。いや、意外に若くておしゃれなヒトが混じっているのには驚いた。もちろん、それらしいオヤジも満載。それにしてもみんないい表情をしている。カメラマンが、よほどうまく、懐に飛び込んでいったのだろう。
そして南陀楼綾繁さんから新著(監修 とうこう・あい)『老舗の流儀 戦後六十年 あの本の新聞広告』幻冬舎MC。副題がないと、そば屋か寿司屋の大将の話みたいだが、これは新聞に載る出版広告がいかにして作られるか、ベストセラーとの関係などを追ったもの。いや、これは類書がなくて、おもしろい。パラパラ読み始めたら、あっというまに半分くらい行ってた。普通の新聞読者がきづかない、じつに制約や約束事の多いサンヤツに代表される出版広告に賭けた職人たちの物語であり、戦後出版の裏面史にもなっています。一冊、一冊を調べるのに大変なうえに、見城徹始め、お偉いさんにも取材。いやあ、労作です。労力に見合うペイがあることを祈ります。
今日は娘の14歳の誕生日で、手近ながら「サンマルク」でお祝い。つぎつぎと焼きたてのパンが食べ放題で運ばれてくる。ちょっと食べ過ぎた。料理もおいしい。
帰りは夜道を、一人、健康のため歩いて家まで。途中、団地の中を通り抜けるとき、虫の音に、両側からステレオではさまれた。虫の音の花道だ。