また暑さがぶり返して来た。ただいま地下の室温27℃内半ば。この夏、毎日一袋、市販の硬い氷を一キロ買って使っていた。この氷が、水割りでも、普通にお茶に入れても、すぐ溶ける。氷の溶ける早さかな、と上の句が浮かばない。昨日は、月例、蔵書減量企画、盛林堂さんが来てくれたが、それまで準備する段階でグロッキー。9箱作って、そのまま持って帰ってもらうことに。せっかく来てくれたが、余力がなくなっていた。旺文社文庫内田百けん文庫(ほぼ揃い)などを、ええいっと処分。講談社学術文庫のきれい目のところも出す。これで少し空いた棚に、床に傍若無人に積み上がった文庫を詰めていくことにしよう。微々たる歩みだが、秋には、もう少しがんばって押し出すつもり。
店へ戻る盛林堂号に乗せてもらって、「上々堂」へ。補充と精算(やっぱり夏はダメだったか)。イシマルくんがいて、滋賀で水商売をしている、見た目はヤクザみたいだが、超読書家のお客さんの話を聞く。ときどき上京しては、上々堂でカバン一杯、古本を買っていくとか。イシマルくん、喋りながら、つねに作業をしている。この商売、向いているのなり。
次回「赤旗」連載、「昭和歌謡」の収録(次回を含め、残り二回)は、ぼくの担当で「昭和歌謡としてのフォーク」をする。で、いろいろ関連本を読み漁る。富澤一誠『ザ・ニューミュージック』(潮文庫)は、タイトルは「ニュー・ミュージック」だが、日本のフォークの歴史を初期から叙述した労作。この解説を書いた、きたやまおさむの自伝『コブのない駱駝』(岩波書店)も読む。精神分析的考察が、ややうるさいが、フォーク史的な部分を熱心に読む。フォークルの挫折は、マネージャーがいなかったこと。ギャラの管理とかめちゃくちゃ(20歳過ぎの若者だもの)、グルメ加藤和彦とホテル住まいで、結局借金が残ったという。