雨の祝日である。鮎川信夫『最後のコラム』巻頭に「署名入り寄贈本」という一文があり、もしぼくが「古本」をテーマにアンソロジーを組むとしたら、ぜひ入れたい興味深い文章なのだが、東中野の川添町の通りに「白紙堂」という小さな古本屋があった、という思い出を書いている。そこで丸山薫宛の著者署名が入った本が出ていて、しかもほかにもたくさんある、というところから、署名入り本を古本屋へ売る行為について「神経に少しおかしなところがある」と批判している。「白紙堂」で検索したが、わからず。これは宿題。川添町は旧町名で、いまは東中野一丁目あたり。川添公園、に町名が残っており、とすれば、「白紙堂」があったのは、東中野駅から南下する「区検通り」ではないか。一度、歩いてみたい。
細野晴臣『映画を聴きましょう』を読み始めるが面白い。映画音楽と映画の関係について、音楽的見地から、若き日の回想を含め語っている。まあ、面白くないわけがないですね。ぼくは「ゴジラ」の伊福部昭の音楽を聞くと、夕方になって家に帰らなきゃいけないように切なくなった。最初に買ったサントラ盤のシングルは「抵抗の詩」だ。