急に左腕(二の腕から肩)が痛み出し、シップを貼っている。思い当たるとしたら、青森、弘前、そして帰ってから小金井公園たてもの園(前川國男コルビュジェ展)と、長時間の自転車乗りが連日あったことだ。自転車を漕ぐ(ハンドルを操作)とき、均等に両腕に力を入れているのではなく、どうやら、左腕に負担がかかっていたらしい。もちろん年齢のせいもある。腕が途中までしかあがらず、着替えや日常動作に、不便である。
届いた編集工房ノア社主・涸沢純平の著者追悼記『遅れ時計の詩人』が、あまりによくて、うーんと、うなりながら読んでいる。港野喜代子について書かれた冒頭の数編がとくにいい。会ったこともなく、読んだこともない関西の女性詩人が、いま、隣りに座っているような気持ちになっている。港野の家に手入れされず自由に咲き誇っていた質素な野の花について、書かれているが、それが港野という詩人とぴったり重なる。そして失踪の末自殺した黒瀬勝巳のこと。もちろん天野忠清水正一、庄野英二……。編集工房ノアが、もし大阪になかりせばと考えたら、関西の現代文学史(とくに詩)がすっぽり空白になる。付箋を貼りまくる。
宮部みゆき作家生活30周年を記念した時代長編『この世の春』(上下)をせっせと読んでいる。巧みなストーリーテラーによる、文句なしの物語世界。
「アカハタ」の「試写室」で、送られてきたDVD「渡る世間は鬼ばかり」3時間スペシャルを見る。「渡鬼」と略される人気ドラマを初めて見る。感想は本紙で。人間しか出て来ないドラマだ。良くも悪くも。