諸々、ごそごそと低調ながら、仕事をこなす。
午後、国立nonowa「ペーパーウォール」へ。文芸書の棚の新刊コーナーに、K店長の計らいで、「人生散歩術」と関連する図書(ぼくが選書)のフェアを1カ月、開催してくれることになった。吉祥寺パルコBCと並行する、岡崎武志の中央線ブックフェアである。昨日、現場を見るが、選書した本が並んでいるだけなので、ひと晩かけて、これをにぎあわし飾るコンテンツを作る。誰もほめてくれるわけじゃないのに、それでもローソク……(佐良直美「塩・ローソク・シャボン」)。まったく違う展示になっていますので、東京西側在住の方は、吉祥寺、国立とぜひお出かけ下さい。ぼくのコーナーに限って、写真撮影、拡散もしてください。
吉上恭太さんのセカンドアルバム「ある日の続き」を日に二回ずつぐらい聴いている。「ぼくが生きるに必要なもの」「犬の瞳が月より冴えてたら」「ごはんの湯気で泣くかもしれない」など、ユニークな鶯じろ吉の詩に、ぴったりの曲をつけて、吉上さんがギターを弾き、歌う。歌うというより、曲の中で生活しているようだ。息づかいが聞える。若い頃、フォークソングを聞いていて、50代、60代になった時、この流れで、聞ける曲ができるとは思っていなかった。年取ったら、演歌かジャズのスタンダードナンバーという雰囲気であった。しかし、ここに、生活しながら曲を作り、若いミュージシャンと素敵なコラボをしながら、アルバム作りをする人がいる。苦く優しい日々の省察は、聞きながら、とても気持ちよかったし、うらやましく思った。なんだか、うらやましくて仕方がない。こんなふうに音楽ができたら、70代、80代でも歌っていけるのではないか。このところ、自然によく目に入ってくる山川直人さんのイラストを使ったジャケットもいい。講談社文芸文庫の隣りに置きたい。本格発売はもう少し先らしいが、タワレコ渋谷、古書ほうろうなどで先行発売されるそうです。
夏葉社からの新刊、山本善行撰『埴原一亟古本小説集』が送られてきた。何が、どこが、山本善行の心を射たのか、じっくり読んでみたいと思う。27日には、夏葉社事務所に善行堂がやってくる。そうか「亟」は「きょく」と打ち込んででてくるのか。「じょう」「じょ」ではダメだったんだ。一つ、賢くなりました。