お盆も何も関係ない、どこへも行かない、憩わない、貧ライター生活。午前中、少し集中して仕事を。昼、娘とソーメン食って(錦糸たまごの作り方がめちゃくちゃ巧くなった)、午後、国立へ。やはり人が少ないか。「みちくさ」、「ブ」から「ド」と、軌道が敷かれてあるようなお決まりのコース。アイスカフェラテ飲み、タバコを三本だけ吸い、『啄木歌集』を少し読む。「しつとりと/水を吸いたる海綿の/重さに似たる心地おぼゆる」なんて句にどきりとする。
帰り「たましん」の美術館へ。「五感でみるてんらんかい」、というお子様向けの企画展示をしていて、その方面ではあんまり関心がないが、20点ほど並ぶ所蔵品の絵、壺などの美術品をゆっくり回廊して見る。鈴木信太郎や梅原の小さな変型キャンパスのリンゴの絵に堪能する。もう、これでじゅうぶん。これは知らなかった安西啓明なる日本画家の「立川市変貌」という、戦後、米軍が進駐した立川の町角(看板だらけ)の絵に魅入る。モダンな感覚で、言われないと日本画とは気づかない。ほとんどイラストレーションの感覚。大きな絵だった。ぶらり立ち寄って、絵を見る。15分とか20分ぐらいだろうか。この感じが好きである。短い詩を一編だけ読むような感じ。これで入館料100円である。