北村薫「朧夜の底」ですが、そのなかで、「私」が好きな作家としてフョードル・ソログープというロシアの作家が出てくる。「国別に編まれた名作集で読んでいたが、今年の冬、更に文庫本の個人短編集を読み、完全にその虜となった」とある。読みたくなりますよ。この文庫本とは岩波で、『かくれんぼ、白い母』というタイトル。いま品切中。で、いくつか心当たりの古本屋を数日間、巡ったが見つからない。いま、アマゾンにアクセス不能で、こちらも使えない。長編で『小悪魔』という作品も触れられているが、こちらは河出のモダン・クラシックス。古書価は5000円から1万円。
今日、羽衣「いとう」へ出かけてみたが、やっぱりなくて、そうそう、二階に外文の棚があって、ロシア・ソヴィエト文学全集があったっけと行ってみたら、平凡社の同全集24『サーニン 赤い花 マカールの夢ほか』に一編だけ、ソログープ「白いお母様」が昇曙夢訳で入っていた。これを300円で買う。
そのほか、ごちゃごちゃ買ってるんだが、いちいち書かない。
昨日、「みちくさ」で、雑誌「絵本」の「岩波の子どもの本」特集号を出品していたのだが、小さな子どもが指差して取り上げ、興奮して表紙を見ている。「きかんしゃやえもん」の絵があるのだ。「何度も読まされたものねえ」と母親らしき人。なかをぱらぱら見て(研究書なので)「あらら、これは無理よ」と言うが、子どもは離さない。けっきょく元に戻したが,その話を客で来た豆ちゃんに話したら(買ったのはアマノさん)、うまい返しをした。「その子、わかってたんじゃないですか。むしろ『ぼくは阿川弘之のファンなんだい』って」。「やえもん」の訳者は阿川大尉なんですね。豆ちゃん冴えてた。そこでぼくも返した。「そうか、そうかもしれない。『阿川弘之というと、いまじゃあ阿川佐和子の父親って言われるけど、ぼくに言わせれば、あくまで阿川弘之の娘が佐和子』って」。まさか、3、4歳のオトコの子がねえ。
そうそう、「みちくさ」用に作った新作「古本おみくじ」の余りに、少し新たにコピーしたのを足して、本日、善行堂へ送りました。30個はあるかな。たぶん水曜か木曜日以降、先着で、「善行堂」へ行って古本を買うと、絶賛好評の、岡崎武志作「古本おみくじ みちくさバージョン」が引けます。ふふふ、楽しみですねえ、関西の「善行堂」ファンは。
夕食に肉じゃがを作る。