「大人の休日」倶楽部パスを購入(連続4日有効、新幹線を含めJR東日本と一部ローカル線乗り放題)。あれこれ計画をたてる。一日目は夫婦で、20年ぶりぐらいで桐生へ。ここに大川美術館という、松本竣介のコレクターによる私設美術館があり、いま、松本竣介のアトリエを再現した展示がされている。これを見よう、というわけだ。「雄文堂」はちゃんと空いてるかしらん。水沢「白神堂」へも行きたい。南伊東の「岩本書店」と、けっきょく古本屋がらみの旅になりそう。あれこれ調べ、熱中し、ほかのことが疎かになるのはいつものこと。
夜はひさしぶりに牧野邸におよばれ。編集者、知人の牧野組と土鍋でおでんを囲みながら、日本酒をくいくい空ける。最初ビール、次に一升瓶の封を切ったのがほとんど4人であっというまに空き、また日本酒。ふつう、これだけ日本酒を飲むと、ぼくはたいてい酩酊するのだが、この夜はなぜかシラフに近く快調。よほどいい酒、いい時間であったのだろう。牧野さんが編集、あるいは絵とデザインを担当する「雲のうえ」「飛騨」をもらう。「雲のうえ」巻末には、前号を読んだ読者からのハガキが掲載されているが、ぼくの書いた原稿が好評のようで、大いに鼻を高くする。がんばって書いた甲斐があった。
北村薫「秋の花」を、いったいいつぶりだろう、再読し始める。ガールズタッチが、少し気恥ずかしい部分もあれど、ああ、この世界だと没入する。
このところ、朝食後、うちに二匹いるうちの、黒のネコの方が地下へ降りてきて、パソコンに向うぼくの太ももと腰の上に乗り、まったりする習慣ができた。ときどきなでてやると、シッポを振って、ぐるぐる喉を鳴らしている。ぐにゃぐにゃした、あったかい懐炉を抱いているようなり。
備忘録
世田谷ピンポンズくんのライブで同席した、神保町「ぶらじる」マスター竹内くんの話。いま、大宮「そごう」デパ地下に「ぶらじる」が出張出店し、週に何度か、竹内くんも出勤している。前店がソフトクリームを売っていたので、そのまま引き継いで、神保町店にはないソフトクリームを販売している。「ソフトクリームなんて、原価安くて、ぼろ儲けじゃない」と失礼なことをぼくが言うと、決してそうではなく、北海道の特別な牛乳を使用しているので、儲けは少ないという。それに……と、つけ加えて竹内くんが言うには、ソフトクリームの器械って、定期的に洗浄と消毒が必要で、それがすべての部品をいったんとりはずしての作業になり、非常に手間がかかるのだという。それがメンドウで、ソフトクリームを扱わない店があるというぐらいだそうだ。知らない話を聞くと、目の前が開けるようだ。