昨日、「銀盛会館」で、無事「オカタケ&古ツア」イベントを終える。血の一滴まで搾り取ったように、激しく疲れた。でも楽しかった。新刊『気がついたら』も22冊売れた由。ありがとうございました。肉筆原画は6点のみ売れる。原画展を銘打ったが、古本を漁る血走った眼には、ほとんど届かなかったようだ。ぼくが客でもそうかもしれない。盛林堂さんに相談して、幾点か、盛林堂さん店内壁で展示販売してもらうことにする。本イベントは、小野「盛林堂」純一さんには、頭の先からしっぽの先までお世話をかけた。店を開きながらだから、パートナーの小野夫人にもかかる負担は大きかったと思う。ありがとうございました。
夕方、「天狗湯」に浸かり(同湯は地域の憩いの場らしく大繁盛だ)、ビールを飲んでトークに臨む。古本少年ケンタロウくんも保護者同伴でトークにまで来てくれた。「JR鶴橋駅には、駅構内通路にブックオフ専用の改札がある」なんて話題が、中学生に楽しいのかどうか、ちょっと不安だが。古ツアさんとともに、ケンタロウくん応援団としては、でもうれしい。
例によって、古ツア・古本屋スライドショーがメインで、まちがいなく楽しく、おかげで、咳がひどくなってきたのを楽させてもらった。打ち上げは、イベント連と銀盛堂ブレーンの人たちと「西ブク」のスタッフたち。作家の芦辺拓さんが参加され、ひさしぶりに言葉を交せたのがうれしかった。ぼく、芦辺さんの文庫を一冊、解説を担当している。スマホと作家ノートを駆使、やつぎばやに懸案の企画、調べた情報、出版界への思いを休みなく吐き続ける芦辺さんに感動する。座りながら走っているようだ。休みなく頭が働き、ガリガリと歯車を動かし前進していく。いやあ、オドロキました。たしかに、ああでないと、あれだけの仕事はできません。同じもの書きながら、小説家の生理と情動に触れた気がした。ちょうど村上春樹『職業としての小説家』新潮文庫を、線引きながら読んでいたので、特にそう思った。村上春樹がそういう意味のことを言っているから書いていいと思うが、小説家は特殊な人種だし、そうでないと人を喜ばす小説なんて書けない。