あぶないなあ

okatake2010-09-26

とうとうその日が来てしまった。さいきん、ポカが多いのだが、やってしまった。
金曜、五反田で買った本を宅急便で送ってもらったのだが、今日になって開けてみると、どうも二、三、買ったはずの本がない。それは下のガレージ均一で追加で買った本だった、と思いだしたとたん、青くなった。階段下でがさごそ追加を買っているとき、月の輪さんに声をかけられ、詩集にサインを申し出て、奥の帳場の机を借りてサインしたことは昨日書いた。そのとき、買った本の袋を、傍らの椅子の上に置き、その上に追加で買った本を載せたがずり落ちそうなので、無意識に袋のなかに入れたのだ。たぶんそうだと思う。そのときは、もちろんあとで精算するつもりだったが、うさぎ書林さんと言葉を交わし、月の輪さんが持ってきた筆ペンで下手なサインを入れ、「売れ残ったら、値段を下げて」と軽口を叩いて、さあ、竹橋へ移動だ、彷書月刊編集部に顔を出して、それに夜はコンサートがあって、ああ、それには古本の荷物が重いなあ、どうしようかと思っているうちに、追加の本を精算しないまま、袋に入ったまま宅急便の手続きをしてしまった。その間、午後の行動のことで頭がいっぱいで、まったく気付かなかった。
今日、箱を開けて、あれ、何冊か足りないぞ、と思ったとき、顔が青くなったのだ。つまり、宅急便の荷造りをしているとき、おそらく南部の古本屋さんの誰かが、紙袋に入っていない数冊の本を不審に思い、値札をチェックしたのだと思う。精算されていない本だから、それは除けたのだ。あたり前だ。しかし、ぼくが故意に盗ったと思われたのではないか、と心が痛んだ。本当に盗むつもりなら、宅急便などを頼まず、そのまま帰っている。また、たぶん700円か800円ぐらいの買い物で、800円の宅急便代を使いはしない。しかし、それはすべて言い訳で、誤解されても仕方のない行動だった。五反田の即売会は、楽しみの少ないぼくにとって、強力なアミューズメントパークで、いつも楽しませてもらっている。そこで、誤解されても仕方のないミスを犯したことが痛恨だ。
もっと怖いのは、頭の老化が始まったのではないか、ということだ。いや、始まっているだろう。網棚に本を忘れる、財布を落とす、携帯がどこかへ消えるというのは、すでに何度か経験済みだが、落ち込んでしまった。いや、まったくまいってしまった。
南部のみなさん、そういうわけで、まったく悪意なく、頭脳の老化が起こしたことですので、ご容赦ください。しかし、宅急便で送っていなかったら、南部古書会館にそういう監視員がいるかどうかは知らないが、ほんとう万引きでつかまったかもしれない。あとで払うつもり、というのは万引きの常套句だ。あぶない、あぶない。
どこかの社長さんみたいに、有能な秘書が欲しいよ。

そんな心の混乱のなか、広島から、11月に開くトークショーの概要が送られてきた。しかし、60名も集まるかなあ。心細く生きる岡崎を助けると思って、近所御誘いの上、おでかけください。
http://fly8.jp/bookshiro2010-talk03

写真は原作の『森崎書店の日々小学館文庫です。映画は10月23日から神保町シアターほかにて、全国順次公開とのことです。ぼくも数秒、画面に登場します。